#28 雪隠と留学 [第3部 スペイン編] ep.XIII「水道橋」

　セゴビアに着いたころにはもう日も沈始め、丘の上の聖堂が神々しくライトアップされていた。この街は水道橋で有名だ。日本人にはなかなか想像できないもので、言葉でも説明が難しいので割愛。

　マドリードのスペイン広場の近くに良さげなアジアンスーパーマーケットを見つけた。

どうやらこの辺は中華系やベトナム系のアジア系のお店が多いようだ。さほど大きいスーパーではないが思ったより日本の商品も取り揃えられていた。

レアルマドリードのスタジアム、サンティアゴ・ベルナベウの近くに日本食品専門店を見つけたがどれも輸入品のせいかべらぼうに高く、とても買う気にはなれなかった。よっぽど精神的に追い込まれたら来ようと思った。そう思ったということは食べ物って心身にとって大切なんだな。

　とにかく、そのアジアンマーケットの方が日本食品中心ではないがある程度は馴染みのあるものを買うことができた。中でも割と助けられたのは冷凍餃子だ。パッケージは全て中国語で書かれているので正しい調理法などはわからなかったが、大した問題はないだろう。ごま油を使ってフライパンで焼いたらおいしく出来上がった。自炊生活をする上で料理は楽しいがたまにはサボりたい。そんなときこの冷凍餃子はうってつけだった。醤油はキッコーマンが手に入ったので味付けは最低限確保された。

ミツカンの酢も売っていたが、高かったので却下。普段から料理で使う酢で十分。ラー油や七味なども餃子以外で需要がないので乾燥とうがらしを細かく切って入れた。これが少量なのにとても辛くて大変だった。

コンタクト着用前にこれを刻むと指に付いたなんとか成分で目つぶしされて十分は動けなくなるのでご用心。

次回予告『雪隠と留学 [第3部 スペイン編] ep.XIV「来客」』