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会計/税務コンサルタントの実務課題解決コラム

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会計/税務コンサルティングファームであるアクリアグループのコンサルタントが、実務現場での経験を活かしてコラムを執筆致します。
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2024年2月の記事一覧

連結決算の一連作業①

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの成田です。 「連結決算の一連作業」について取り上げていきます。 を対象に説明させていただきます。 「連結決算って難しそう・・・。」と思われている方が多いと思いますが、連結決算の全体像を把握することで、連結決算に対する理解を深めていただき、皆様の業務の一助になれば幸いです。 連結決算の一連作業は、大まかなステップとして、 があり、今回は①事前準備、次回以降は②連結パッケージ入手時の作業、③連結仕訳の入力、④事後検証を

連結決算の一連作業②

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの成田です。 前回から引き続き「連結決算の一連作業」について取り上げていきます。 連結決算の一連作業は、大まかなステップとして、 があり、今回は②連結パッケージ入手時の作業、③連結仕訳の入力、次回は④事後検証を説明します。 (2) 連結パッケージ入手時の作業子会社から提出された連結パッケージ(連結決算を行うためのデータ収集用のフォーマット)は、手作業により作成されることもありますので、必ずしも完璧に入力されているとは限り

連結決算の一連作業③

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの成田です。 前回から引き続き「連結決算の一連作業」について取り上げていきます。 連結決算の一連作業は、大まかなステップとして、 があり、今回は④事後検証を説明します。 (2) 事後検証連結精算表を一通り作成した後、連結精算表に誤りがないかどうかを確認するため、事後検証を行います。事後検証は、様々な方法がありますが、例として以下の方法があります。 なお、以下の方法は、会計監査でも似たような手続きが行われているため、検証

M&A(Mergers&Acquisitions)におけるPMI(Post Merger Integration)について(前編)

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの前野です。 今回と次回は、「M&AにおけるPMIについて」です。 今回は一般的なPMIに関する説明とPMIに関連するビジョン・戦略及び業務統合について、次回は、経営資源の統合等について取り上げていきます。 M&A(合併や買収)の最終的な成否はPMIにかかっていると言っても過言ではありません。 合併、買収等が実施された場合、経済的実態としてはM&Aによって異なる組織が統合されます。 そのため、異なる組織が融合することによる

M&A(Mergers&Acquisitions)におけるPMI(Post Merger Integration)について(後編)

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの前野です。 前回と今回は、「M&AにおけるPMIについて」です。 前回は一般的なPMIに関する説明とPMIに関連するビジョン・戦略及び業務統合について説明しましたので、今回は、経営資源の統合と、M&AにおけるPMIについてのまとめを取り上げていきます。 (2) 経営資源の分野(経営資源統合の視点)経営資源統合に際しては、人、モノ(情報)、金の視点があります。 ①人事制度の統合 最も困難といわれます。統合前の各社のし

月次決算について留意すべきポイント

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの大熊です 今回は、「月次決算について留意すべきポイント」について取り上げていきたいと思います。 (2) 月次決算の目的年次決算や四半期決算は法定開示が求められているのに対して、月次決算は開示が求められておりません。 そのため、月次決算を行ったとしても、外部に情報を提供する法的な義務はなく、予算実績差異分析を実施し当初予算の修正や経営戦略の修正等が必要ないかを確認したり、将来予測の精度を高め意思決定の根拠とするなど主に経

M&Aにおける各種デューデリジェンスについて①|企業がM&A(合併や買収)を行う際の調査手続き

(1) はじめに株式会社アクリア代表取締役の川崎です。 今回は「M&Aにおける各種デューデリジェンスについて」としまして、企業がM&A(合併や買収)を行う際の調査手続きについて、2回に分けて取り上げていきたいと思います。 (2) デューデリジェンス(DD)デューデリジェンス(Due diligence。以下「DD」と記載します)は直訳しますと、「当然払うべき注意・努力」といった意味になりまして、M&A実行に際して事前に行う買収対象企業の適正評価に係る一連の調査手続きをい

M&Aにおける各種デューデリジェンスについて②|企業がM&A(合併や買収)を行う際の調査手続き

(1) はじめに株式会社アクリア代表取締役の川崎です。 今回は前回に引き続き、「M&Aにおける各種デューデリジェンスについて」としまして、企業がM&A(合併や買収)を行う際の調査手続きについて、取り上げていきたいと思います。 前回の財務DDに続き、それぞれのDDに関する一般的な概要を見ていきましょう。 (2) 税務DD税務DDは主に過年度の税務申告書等を出発点として、対象会社の税務全般における調査を行います。 基本的には対象企業に内在する税務リスク、特にM&A実施後

開示業務について①|一般的な上場会社の開示書類およびそのスケジュールや内容

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの真部です。 今回の内容は、「開示業務について[コロナ禍での特殊対応事例含む]①」です。 開示業務をテーマに、今回は一般的な上場会社の開示書類およびそのスケジュールや内容について、次回「記述情報の開示の原則」における新型コロナウイルス感染拡大の影響について取り上げていきます。 (2) 概要決算を迎えた一般的な上場会社の開示書類およびそのスケジュールは、以下の通りです。 まず、直近の決算期速報という位置づけである「決算短信

開示業務について②|「記述情報の開示の原則」における新型コロナウイルス感染拡大の影響

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの真部です。 今回の内容は、「開示業務について②(コロナ禍での特殊対応事例含む)」です。 前回、一般的な上場会社の開示書類およびそのスケジュールや内容について解説し、開示業務の改善について単体決算プロセスにも触れて記載しました。今回は「記述情報の開示の原則」における新型コロナウイルス感染拡大の影響について取り上げていきます。 (2) 「記述情報の開示の原則」における、新型コロナウイルス感染拡大の影響について金融庁は、新型

開示業務について③|有価証券報告書を作成する際のポイント

(1) はじめに株式会社アクリア、コンサルタントの松田です。 今回は、実際に有価証券報告書を作成する際のポイントについて取り上げていきます。 (2) 概要① 会計上のトピックス(新会計基準、新規取引、会計上の論点)について事前に検討します。 1) 新たに適用される会計基準については、海外子会社を含めた連結グループ単位で、 どの会社がどのような影響を受けるのかをできるだけ早期に把握し、 情報収集の方法を決算までに検討しておく必要があります。 そのステップとしては、次

実務において管理部に求められる役割①制度会計分野(経理・財務)

(1) はじめに皆さま、はじめまして。 株式会社アクリア代表取締役の平石と申します。 管理部とひとことで言いましても、様々な役割が求められるとともに、内外多くのステークホルダーと接することとなります。 その中でもとりわけ専門知識や実務経験が必要となり、かつ連携が求められるのが以下の三分野です。 今回は①制度会計分野(経理・財務)について記載します。 (2) 制度会計分野(経理・財務)~課題:属人化、中長期的な改善活動時間が確保できない~┃求められる役割の特徴 1)

実務において管理部に求められる役割②管理会計分野(経営企画)

(1) はじめに株式会社アクリア代表取締役の平石です。 以下は第1回コラムに記載した内容となります。前提として再掲します。 今回は②管理会計分野(経営企画)について記載します。 (2) 管理会計分野(経営企画)~課題:KGI・KPIの設定が難しい、タイムリーな報告体制が構築できない、現場責任者を巻き込んだ実行力ある業績管理ができない~┃求められる役割の特徴 1) 中期経営計画及び年度予算に沿った各事業部/各子会社への業績管理体制の構築が必要。戦略的かつ実行力を兼ね備

実務において管理部に求められる役割③ファイナンス・事業推進分野(事業開発/戦略投資)

(1) はじめに株式会社アクリア代表取締役の平石です。 以下は第1回コラムに記載した内容となります。前提として再掲します。 今回は③ファイナンス・事業推進分野(事業開発/戦略投資)について記載します。 (2) ファイナンス・事業推進分野(事業開発/戦略投資)~課題:新事業計画策定/CVC投資/M&Aにつき自社内ではノウハウや経験が足りない、ファイナンスやDD、PMIの支援が必要である~┃求められる役割の特徴 新事業実行のためのファイナンス戦略(エクイティ/デット)を