ビクビクしながら歩いていた人混みを、お蝶夫人で歩く(妄想)
家から駅に向かう時、かなり人通りの多い場所を通ります。
前から人や自転車がバンバンやってきて、ボーッとしているとぶつかりそうになります。周りにお店があるので、みんなキョロキョロしているんです。避けながら歩かないと、突進してくる人もいます。
自分の敏感さを、忘れてしまうくらいに硬く固めた鎧。
その重さに耐えられなくなってきて、脱ごうとし始めた頃。人がとても怖くなってこの道を歩く事がとても怖く感じました。
前から向かってくる人や自転車に恐怖を感じ「来ないで、来ないで」と震えながら歩く
そんな風に怯えていた時は、かえって向かってくる人が多かった気さえします。意味もなく怒鳴られたこともありました。
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この頃は街も電車も怖かった。人の少ない田舎で暮らしたかった。
このことを書き始めたのは、昨日駅に向かいながらある妄想をしていたことを書こうと思ったからです。
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昨日は夕方から駅に向かいました。この時間は駅から帰ってくる人も多く、前からたくさんの人が歩いてきます。そしてそれを縫うように自転車も。
『もー危ないなあ』イラっともしました。
そしてその日は、ある妄想をし始めました。
『ああ、あの人は何かイライラすることでもあったのね。可哀想な人』
その日着ていた長いスカートをひるがえしながら、ちょっとお嬢気分。
『あら、あの方はマックの袋を持っている。そんなに急いで帰って食べたいのね。よっぽどひもじいのね、可哀想な方』
この頃はもう、お蝶夫人気分。そんなセリフ言ってないだろうけど、気分です、気分。
『そんなに自転車を飛ばして、ウンコでも漏れそうなのね。お可哀想に』
ひらひらとスカートをひるがえし(ているつもりになり)ながら、道の真ん中を歩く私。
『私って、妄想得意かも。役に立たなさそうな妄想力も、こんな風に使ったら楽しいんじゃない?』
そんなことを考えながら、駅に到着しました。
口に出したらやばい奴ですけど、心の中なんて見えませんから。
ちょっとニヤニヤしている変な奴くらいです。
以前のビクビクしていた頃のことを久しぶりに思い出して書いてみたら、この時とは随分と違っていて、自分でも少し驚きました。
意外と変わってきているのかもしれません。
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