ACCN|矢崎飛鳥

ゲーム・PC雑誌編集者を経て、テック系メディアを複数、立ち上げたり、任されたり、潰した…

ACCN|矢崎飛鳥

ゲーム・PC雑誌編集者を経て、テック系メディアを複数、立ち上げたり、任されたり、潰したりの半生。特技はトレンドの察知と奇をてらった企画、コピーライティング。略称「スマホ」を考案して世に広めたほか、家電メーカーやクラファン、付録を通じて物作りに関与。週一以上ライブに行く音楽好き。

最近の記事

大切な涙

娘が泣きながら電話かけてくるなんて、初めてのことだった。 小さい頃から懐いていた叔父に当たる人物=母親(元妻)の弟が亡くなってしまった。 私には、その場へ駆けつけ慰めることも許されない。 こんな時、なんて声をかけてあげたらいいのかな。 生きていれば、こんなこともあるよ……が心情なんだけど、娘はまだ若い。 人の死が受け入れ難いのは、本来の順番が守られなかった時だ。おじいちゃん(泰久)の時も悲しんだけど、順当だったし、準備期間もまぁまぁ長めだった。 私は2人の友人を病

    • 新しい家族を迎えた話

      新メンバーを紹介します。名前は母が悩み抜いた末、ソラに決まりました。 生後4ヵ月で貰い受けた保護猫(♀)です。誕生日がわかっていて、2023年10月11日生まれです。譲渡が決まる前に一度会っていますが、家に運ばれ、Unpackedされた瞬間の感動は一生、忘れないでしょう。 この子がやって来るまでに、実にいろいろなドラマがありました。発端は、前に飼っていた猫と“父の死”です。 犬・猫と歩んだ家族史 ファミリーヒストリーの裏には必ず犬 or 猫がいました。矢崎家というより

      • 夢の話をしてはいけないという話

        将来の〜ではなく“寝ている間に見る”夢のおはなし……ちなみに大半は悪夢らしいですよ。夢の研究は昔から盛んで“脳のデフラグ”、“性的欲求不満”など定説ありますが、唐沢俊一氏の書物(たくさんありすぎて、どれか忘れましたw)で読んで妙に記憶に残っているのが、夢の話を“決して人にしてはいけない”ということ。夢の内容を無理に思い出したり、夢日記のような形で記録に残すと、高確率で精神に異常をきたすという研究結果があるそうです。 しかし、それ以上に夢の話がタブーなのは、たんに“つまらない

        • 定番すぎるけど、もしまだなら絶対見てほしい映画×3

          出版社勤務時代、ある一般誌の企画に協力してほしいという話をいただいたことがありました。雑誌編集者が選ぶおすすめ映画みたいな内容で、私以外にも何人か聞かれたと記憶してます。私は迷わず「ショーシャンクの空に」を挙げたのですが、担当の方から「定番すぎるので他の映画にしてください」と言われてしまいました。代わりに何を選んだかは忘れてしまいましたが、ショーシャンク〜はそう言われてしまうほど定番中の定番、名作中の名作であり、いちいち挙げてくれるなというわけです(たんに他と被ってたのかもで

          サラリと紹介したらみんな買いまくった「切らないつめきり」の中毒性

          ガジェットを持つ手は常に綺麗に 職業柄(本稿執筆時は無職ですけど)、ガジェットを持った手をよく撮影します。持った写真の意味は重要で、実際にそのガジェットが手元にあることのアピールやサイズの参考になります。エンガジェット時代、私がスタッフやライターさんの写真にダメ出しすることはほぼありませんでしたが、唯一徹底したのが写真に映る手が綺麗であること。特に男性の手で爪が伸びていると、それが気になって内容に集中できません。 また、私はギターも少々嗜むので左手の爪が少しでも伸びると気

          サラリと紹介したらみんな買いまくった「切らないつめきり」の中毒性

          魂が宿った、たくさんの紙の手紙

          昨年末に父が亡くなり、母は「私もいつ死ぬかわからないから」などと言い始め(いたって健康です)、私が実家に置きっぱにしている物を持ち帰るよう要請してきました。家は狭いし、実家は持ち家なのだから別に置いといてくれてもいいじゃないか思うのですが、終活すると言って聞かないので面倒になり素直に引き取りました。おもに本やCD・ビデオテープ(VHS)、卒業文集や紙焼き写真などですが、驚いたのが手紙の量。全部とってあったとは……母スゴイ。 隅々見てませんが、それでも時間だいぶ溶けました。物

          魂が宿った、たくさんの紙の手紙

          父・最期の直筆「外へ」の裏に込められたメッセージ

          2022年暮れに入院していた父と筆談を試みた際に爆誕した「外へ」にまつわるストーリーは、ジャーナリスト・矢崎泰久 最期の句として、その生き様を示すにあまりに相応しかったため、雑誌「創(つくる)」や追悼イベントの場などでたびたび披露させていただき、いつでも好評でした。「すべらない話」というやつかもしれません。 これは「一刻も早く病院から出せ」という指示であり、何より自由を愛した父の選択でした。 そして、実はこのメッセージには裏があります。この裏ストーリーを公表するかどうか悩

          父・最期の直筆「外へ」の裏に込められたメッセージ

          エンガジェット日本版 閉鎖から丸1年

          2023年3月31日(金)夜9時〜エンガジェット日本版 閉鎖から1年の節目に「今を語ろう」と題したライブ配信をガジェタッチでやります(→終了しました、以下よりアーカイブをご覧いただけます)。 今日は何の日? 2022年3月31日、テック系ブログメディア「Engadget 日本版」が最後となる記事を公開し、17年の歴史に幕を下ろしました(英語版、中文版は存続中)。それからちょうど丸1年が経ちます。2022年のこの日、エンガジェット日本版を立ち上げたIttousaiが最後の記

          エンガジェット日本版 閉鎖から丸1年

          私が思っていたよりも偉大だった父について雑誌「創(つくる)」 に寄稿

          2022年12月30日昼前、父がひとりで暮らす杉並のマンションにタクシーで乗り付けると、私は急いでいるにも関わらず、まず共有スペースにあるポストを確認しに行きました。たいてい空っぽかチラシがあるくらいで、そのときはそれどころではなかったのですが、いつも父が見てこいと言うから癖になっていたのです。多くの友人が先立ち、便りもなく、ネットも使わない父は、社会からすっかり孤立した「オワコン」のように私には映りました。しかし、その日は1通の便箋が入っていました。「創出版」の印字の下に「

          私が思っていたよりも偉大だった父について雑誌「創(つくる)」 に寄稿

          父・矢崎泰久(ジャーナリスト/元「話の特集」編集長)永眠のお知らせ

          私の父・矢崎泰久(ジャーナリスト/元「話の特集」編集長)が急性白血病で2022年12月30日、永眠したことをお知らせいたします。 家庭から遠ざかりワンルームの小さな城で長年、悠々自適に暮らしてましたが大好きな煙草も吸えぬほど衰弱し、2022年3月に緊急入院。驚異の回復力で退院し、高レベルの要介護となりましたが独居と執筆を続け、イベントに登壇するなど精力的に活動しました。同年12月に再び緊急搬送、しばらく入院するも本人の希望で城へ戻り、その10日後に旅立ちました。 家庭のプ

          父・矢崎泰久(ジャーナリスト/元「話の特集」編集長)永眠のお知らせ

          もの作りメモリーズ ACCN's PRODUCTS|WORKS

          2021年、LIFEBOOK UH Keyboard クラファン 成功を機に、メディアに携わりながらもの作りに関わったケースを振り返りまとめてみました。 PC雑誌編集者時代は付録製作を通じ、内側からもの作りの醍醐味を知りました。すべてに共通しているのは、世の中に発表する時の表現法やその反響を具体的に想定しながら、リバースエンジニアリング的思想でつくってきたことで、メディア人ならではのアプローチが取れたことです。 その時その時全力投球でしたので、どれも思い入れ深いですが、と

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