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大伯母と僕

第一話「林のおばちゃん」


僕は「変わっている」らしい。普通の人と価値判断考え方が違うようで、面と向かって「変わってらっしゃいますね」と笑顔のような困ったような顔で言われることがしばしばなんだけど、そもそも考え方の同じ人なんていないし、それなら「普通の人」なるものを誰かここに連れてこれるか。断言するいないからそんなもん。

今思い出したんだけど、私が尊敬する南方熊楠が「斬新な考えだと思って調べてみると、大概、昔同じようなことを考えた人がいてそこから飛び抜けてはみ出しているものだけが斬新と言えるもので、だから、古今東西の文献を調べる事は結構大事なことだ」みたいなこと言っていたけど、(変わっている=個性的とするなら)個性だってそうだと思う。個性なんていうのは、勝手ににじみ出てくる性みたいなもので、他人に言われて伸びたり縮んだりするようなものではないし、本人が恣意的に変えられるものでもない。
とは言え「日本人の平均的な考え方」からのズレが相当あると言うのは認めるし、それで誰かに迷惑をかけて いるなら謝らねばなるまい。ごめんなさい。

話がズレまくったが、僕のこのめんどくさい人格形成に関わる要素は先天的なもの後天的なもの取り混ぜて、今思いつくだけで楽勝2桁羅列可能だが、母方の大伯母「伊藤よしゑ」明治35年生まれ 既婚子供なし、通称「林のおばちゃん」の話はどうしても避けて通れない。おばちゃんは伏見稲荷の熱心な信者だった。