なぜスタートアップメディアを始めたのか

スタートアップメディア「KEPPLE」は、このたび1周年を迎えることできました!

いつもご覧いただいている読者の方々はもちろん、取材させていただいたスタートアップの皆さんをはじめ、多くの方々にご協力とご支援いただき、何とか運営することができました。本当にありがとうございました!

この1年間で多くのスタートアップの皆さんを取材させていただき、その活動内容は記事にまとめておりますので、ぜひこちらもご覧いただければ幸いです。

1周年を迎えるにあたり、自分自身も何か書ければと考えた際に、このスタートアップメディアを始めた背景や経緯について、これまで詳細には発信していなかったな、とふと思いまして。この1年間は色んな試行錯誤もあった中で、タイミングとしてはそろそろ良さそうだと思い、1年間の振り返りにかえて書き記したいと思います。

スタートアップメディアをやることは必然だった

いきなり少し大きな話ですが、スタートアップに限らず、新しい動きを世の中に広げていく上で、メディアが担う役割は大きいと考えています。日本のスタートアップエコシステムにおいても、これまでメディアを通して発信された情報がいくつものきっかけを生み出してきました。

かく言う私も、ケップルに入社してスタートアップに携わるようになったのは、メディアの影響です。前職時代の上司がスタートアップに詳しく、TechCrunch Japan や BRIDGE などスタートアップメディアを教えてもらい、そこからスタートアップに興味を持つようになりました。

新しい技術やサービスの情報に知的好奇心を刺激されてだけでなく、自分と同世代の人たちが世の中に大きなインパクトを与えようとしている姿をメディアを通して触れる中で、いつしか自分自身もその中に飛び込んでみたいと思うようになっていきました。

また、ケップルに入社して、今度は取り上げていただく立場になってからもその恩恵を何度も受けてきました。これから新しいことにチャレンジするスタートアップ、ましてやプロダクトもない状態のよく分からない企業に対して、当然ながら世の中の多くの人たちは気にかけてくれることすらありません笑
そんな志だけを持った自分たちを取り上げてくれることは本当に嬉しかったですし、自分たちが取り組んでいることが少しだけ認められたような気がして、社内にもモメンタムを生んでくれました。

その後もスタートアップメディアをはじめ、各メディアの方々とお付き合いさせていただき、取り上げていただいた後は多くの反響がありました。自社の成長にとっても、またエコシステムを発展させていく上でも、その重要性を肌で感じていました。

株式会社ケップルは「世界に新たな産業を」というミッションを掲げて、スタートアップエコシステムの発展に貢献できるよう取り組んでいます。そのケップルにとって、スタートアップメディアをいつか立ち上げることは必然だったように思います。

スタートアップエコシステムを発展させていくためには、さまざまな要素が複雑に絡んでおり、決して一筋縄ではいきません。誰かひとりで解決できるわけはないし、何かひとつの問題を解けば上手くいくわけでもないと思います。

けれども、間違いなく言えることはこのエコシステムを大きくしていくための一つとして、自分もここに飛び込んでみたいと思う人をどれだけ増やすことができるか。起業してみたい、スタートアップに携わってみたい、何か一緒にやってみたいと思う人を増やすことが重要で、その課題にメディアとして寄与できるのではないかと思います。

まだ何者でもない、素晴らしいスタートアップが世の中に広く知られて、いくつものきっかけを生み出せるよう、私たちはスタートアップメディアを立ち上げました。

このメディアの活動はケップルが実現したいと思っていることの一丁目一番地だと考えており、だからこそメディアの名前もそのまま「KEPPLE」としました。

なぜこのタイミングで立ち上げたのか

実は、以前からメディアの立ち上げの話自体は何度も挙がっていました。代表の神先さんとも「やりたいね」と話していたものの、その立ち上げと運営し続けることの難しさも感じていました。

今よりもさらに限られたリソースの中で立ち上げることは非現実的であったとともに、自分たちがやりたいと思っていることを実現するためには、一般的な広告モデルでの運営は難しいと思っていました。

私たちのメディアは「スタートアップエコシステムを可視化して、発展に貢献する」というビジョンを掲げて、創業初期からあらゆるスタートアップを数多く取り上げていきたいと思っています。取材記事を数多く掲載していくことは今の時代のメディア運営としては必ずしも良い手法とは言えませんし、スタートアップに特化したメディアで、数多くのユーザーやページビューを集めることは至難の技です。

また、社内には編集経験者どころかメディア運営に携わったことのあるメンバーすらいませんでした。そのような中で、いくらスタートアップが好きだからといって、正攻法で仕掛けていくのは無理だと思っていました。

やりたいと思っていたものの、なかなか踏み出せずにいた期間が長く続いていましたが、徐々にケップルとして提供しているサービスを広げていくことができ、広告収益に依存しない形でメディア運営を行うことが出来そうな見通しが立ったのが2021年の年末ごろでした。そこから具体的に動き始め、株主である日本経済新聞社の方々にもサポートいただきながら、立ち上げに至りました。

一つ補足しておくと、意図せずして TechCrunch Japan 終了のタイミングと重なったこともあり、それを見越して参入したのですかと聞かれたこともありましたが、全く知りませんでした。
何より自分自身をスタートアップに飛び込ませてくれた、TechCrunch Japan が終了してしまったことは本当に残念ですし、それを踏まえてもメディアとしては何とか続けられるようにすることがまずは大事だと今も思っています。

この先に何を目指すのか

前述のとおり、スタートアップメディア「KEPPLE」は、スタートアップエコシステムを可視化して、発展に貢献することを目指しています。このサイトを見ればスタートアップに関連するあらゆる情報が集まっている、数知れないきっかけが生み出される、そんな場所を目指しています。

この1年間で100社以上のスタートアップの方々を取材させてもらいました。けれど、私たちのスタートアップデータベースには現時点で1万社以上の国内スタートアップが収録されており、取材した企業数は1%にも達していません。岸田政権が掲げる「スタートアップ育成5か年計画」では10万社を目指すとしていますから、その基準で考えるとわずか0.1%未満です。

また、今は資金調達に関する情報がメインとなっていますが、プロダクトに関する情報や各社のカルチャーや取り組みに関する情報など、取り上げていきたい内容が数多くあります。また、スタートアップだけでなく、投資家や事業会社の皆さんの活動や想いも広く発信していきたいと思っています。

もちろん、ケップルのビジョンは「世界に新たな産業を」生み出すことですから、長い目線では日本国内だけにとどまらず、海外のあらゆるスタートアップの情報も発信していきたいと考えています。

私たち自身もまだまだ志ばかりの何者でもないですが、今後は国内外のあらゆるスタートアップを取材させてもらい、一緒に大きなインパクトを世の中に与えられるように努めてまいります。

引き続きよろしくお願いします!

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