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もう少し楽に生きるための教育?

あなたは、どんな子ども時代を過ごしてきただろうか。
一番最初に思い浮かぶ情景は何だろうか。
学校?習い事?友達?家族?それとも、、、

「楽しかったなあ」「幸せな子ども時代だったなあ」

そう思えるのなら、きっと環境や人間関係に恵まれた素敵な時間を過ごしてきたのだと思う。

6歳で小学校に入学し、6年間過ごした後に中学校に入学する。
義務教育を終え、ほとんどの人は高校受験を経験する。
そして、大学への進学率も年々高くなってきている。

この流れを、特に疑問に思わず「当たり前」だと思っている人も沢山いるだろう。
私も「当たり前」だと思っていた。
幸いにも進学をさせてもらえる環境だったこともあり、高校進学や大学進学をすることに対して、疑問に思ったことはなかった。
それ以外の選択肢を知らなかったから。

日本で学生生活を送る多くの子どもたちにとって、その時期のその子の「人生」の大部分を「学校生活」が占める。
朝起きて学校に行き、お昼過ぎまで学校で勉強をし、放課後も学校でクラブ活動や部活動、委員会活動を行う。
帰宅したら夜。宿題をして寝る。
の繰り返し。

そして、学年が上がってくると「受験」や「進学」というワードがホットになり、「成績」の重要性が増してくる。
常に内申点を頭の片隅で意識して、高校受験を成功させるための中学生活、大学受験を成功させるための高校生活を送る。

成績に関わる活動や試験は、「内申に影響するから」と頑張る。
成績に関係しない活動や試験は、「成績と関係ないから」とちょっと不真面目になる。
学校内での子どもたちは、次第に周りよりも良い成績を取るための「学習」「振る舞い」に偏っていく。
無意識のうちに。

もちろん、全く違う環境で学生生活を過ごしてきた人もいるだろうし、一概には言えない。

このような中でも友達や他の場所で楽しみや生き生きできる場所を見つけ、もしくはそもそも学校に行くことが楽しくて、勉強も頑張れる人は特に問題なく学生生活を送っていけるのだと思う。
でも、人生の大部分を占める学校生活が、もしも合わなかった場合、その子の日々はきつくて辛いものになる。

周りはみんな頑張っているのに、自分は頑張れない。
この「当たり前」の流れや学校文化が合わない。
違和感がある。
そんな風に思う子もきっと少なくない。

しかし社会は、学校で良い成績を取り、レベルの高い学校に進学した人を評価する。
この「当たり前」の流れにうまく乗ることができ、頑張れる人が成功する。

受験など競争が生まれる場面では特に、

成功・失敗が、本人の学習の成果よりも他者との比較においてなされがちなので、必ず『失敗者』を生むような構造になっている。

市川伸一著『学習と教育の心理学』30頁.

と指摘されている。

合わない子は他に「居場所」=「逃げ場」を見つけられず、自己嫌悪に陥り、心を病む。

こりゃまずいよな、と。

人の数だけ生き方があるし、自分が心地よいと思える環境がこの世界のどこかに絶対にあるはず。
でも、そんな「居場所」を探すことのできる余裕や「逃げ場」としてのスペースが日本は少ない気がする。
子どもたちが自分に合う「逃げ場」を探し、簡単にアクセスできる社会とは言えない。

子どもだけじゃない。大人にも同じことが言えるかもしれない。

今いる世界、これまで生きてきた世界しか知らないで、それが人生の全てになってしまって、
もしその世界で生きづらくなった時、その人はとても苦しく辛い思いをする。

だけど、別の生き方、別の世界、ここでの「当たり前」が当たり前じゃない世界が他にも沢山あるということを実体験として知っていたら、きっと心の負担は減る。

だから、教育を通して色々な世界=生き方に触れることのできる機会を作りたい。
そして、自分らしくいられる「居場所」や「逃げ場」を見つけてほしい。

こんな生き方をしている人もいるということを、
こんな選択肢もありだということを、

新しい視野やこれまで持っていなかった発想を取り入れるためのきっかけを広く提供する必要があると思う。

やがて、それまで無意識だったことが意識できるようになったり、自分の当たり前に問いを立ててみる能力が養われたりすれば、もう少し楽にのびのびと生きられる気がする。

そこに「楽しい」「面白い」といった要素や感情が生まれると素敵。
その時だけはこれまでのプレッシャーやしがらみから解き放たれて、楽しく面白く、夢中になって、ふと気が付いたら沢山の学びがあった、みたいな。

ワクワクする方法で、生き生きできる環境で、その先に人生の支えになる学びを。
ストレートの道から外れてみることに勇気がいらない仕組みを。
もっと楽観的でいい。

そんなスペースがもっと増えて、そのスペース自体も「居場所」や「逃げ場」として機能しちゃうような場所が増えたら、楽しいんじゃない??

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「自分らしくあれ」
と言うなら選択肢をよこせよ
逃げるにも勇気は要るんだ
急げ深い場所へ
(深海魚 / SEKAI NO OWARI)

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