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私は、その他大勢の取るに足らない1人ではない。

朦朧とした意識の中で、
なんとか今の状況を記しておきたくて
noteを書いています。

あなたたちはロボットですか。

昨日、なんとか予約をとれた心療内科に行ってきた。

口コミで、
「心療内科とは思えない殺風景な風景」
「薬だけもらうという人にはいいかもしれませんね」
などと書かれていたのを見ていたから、
ある程度予想していたけれど、
実際はその予想をはるかにこえていた。





雑居ビルのエレベーターのベルが「チーン」と鳴り
心療内科のある階に着いたことを知らせる。

おそるおそるエレベーターからおりると、
とても心療内科があるとは思えないほど、
寂しくて冷たい雰囲気の廊下。
その廊下に、午後の診療開始を待つ人が長い列を作って待っていた。

午後の診療時間開始になると、みんな一斉に中へ入る。

再診、初診にわかれて受付を済ませ、
広い待合室にあるソファーのひとつに腰かける。

たくさん並んだソファーの向こうには、
小部屋が10以上あった。

その小部屋のそれぞれに、お医者さんと助手のような人がいる様子だった。

おそらくカウンセリングルームもあったのだと思う。

その他採血をするために、簡易的に仕切られたスペースもあった。

個人的な印象は、
「集団ワクチン接種の会場みたい・・・」だった。

ソファーに座る何十人もの患者さんの名前が順々に呼ばれ、小部屋に入っていき、5分もしないうちに出てくる。

会計の紙を係からもらった後は、機械で清算を済ませるようだった。

合理性を極限まで求めたら、こうなるのかなぁという作りだった。

次の患者さんの名前を呼ぶために先生だか助手だかが小部屋から出てくる。

だんだんと、白衣を着た彼らが人間ではなくロボットのように見え始めていた。


みんな、良くなれ。


待合室にいる人々は、具合がわるそうにうつむいているか、スマートフォンをいじっているかだった。

中には、5歳くらいの子供を連れた若いお母さんもいた。

ここにいる皆がうつ病のような症状に悩んでいるのだと思うと、胸がぎゅーっと苦しくなった。

特に、小さな子供を誰かに預けられずに来院しているであろう若いお母さんのことが気になった。
孤独じゃないだろうか。
子育てはできる環境なのだろうか。
だれか彼女の助けになれるひとはいるのだろうか。

彼女だけじゃない、うつむいて苦しそうにしている人、みんなみんな
どうか元気になれますように。

そう願わずにいられなかった。


私は「ひとりの人間」です。



私の番がきた。

小部屋に入ると、女医さんと、その助手のような方がいた。

女医さんは、私の話を聞いて処方する薬を考える。
助手は、私の話した内容をひたすらパソコンに打ち込んでいた。

先生は、「どうされましたか?」
と私に聞いた。

どうされましたかって、Web問診で事前に書いたのだけど・・・
と思いながら、とりあえず以前もうつ病にかかっていたこと、子育てをしているあわただしい日々でまた調子が悪くなってきたことなどを簡潔に話した。

先生は、ずっと眉間にしわを寄せた難しそうな顔で私を見ていた。
「あぁ、この人とは合わないな」と私は感じた。
こういう相手に、私は心の内をさらけ出せないのだ。
自分の心を預けたいと思えないのだ。

彼女自身、私を「ひとりの人間」としては見ていなかったと思う。
大勢ランダムにやってくる患者の一人。

そう思った時点で、私は気持ちを伝えようとするのをやめてしまった。

薬だけもらえればいい。そう思った。

「できるだけ依存せずにすんで、昼間眠気がこない薬がいいです」
とだけ伝え、薬を処方してもらい小部屋を出た。

ソファーに座ってぼんやりしていると、女性がやってきて、いくつかの心理テストとアンケートを入力するように言ってきた。

アンケートには、次回、今日の医師を希望するか否か、
病院についての希望などを書く欄があった。

私は正直に、「今日の医師は希望しない」にチェックを入れた。
「まるで集団接種会場のようだと感じました」などとも書いたと思う。


共感してほしかった。



しばらくするとコンシェルジュと名乗る女性がやってきて、私の隣に腰掛けた。

病院のシステムが特殊で私のように動揺する患者さんがいるため、彼女のようなコンシェルジュが初診後にフォローに入り、医師の変更の希望やカウンセリングの説明などをしてくれるようだった。

彼女は、
「わざわざ来てくださったのに、辛い思いをさせてしまいましたね。ごめんなさい。」と言い、
「何かほかに話したかったことはありますか?」と聞いてくれた。

すぐには言葉が出てこなかった。
私は薬だけもらえればいいと思ってここへきて、
実際薬を処方してもらえたのだから、
一応目的は果たしたはずなのだ。

なかなか言葉の出ない私を見て、彼女は言った。
「今はどのような症状でお悩みですか?」

えっ、そんなことも話していいの?
あなたはカウンセラーじゃないのに?

驚きながらも、
ずっとうつ病で通院してきた20代のこと、
妊娠を機に薬をやめたこと、
なかなか子育てを楽しめず悩んできたこと、
夜なかなか眠れないこと、
食欲がなく体重が減っていることなど、
先生に話した何倍ものことを彼女に話した。

彼女はただただ傾聴し、私が話し終わるといった。

「お辛かったですね。もう、頑張らなくていいんですよ。」

私の腕にそっと手を当てて言ってくれた言葉。
こころにまでぽっと灯りがともったようだった。

目頭が熱くなり、涙がこぼれそうになった。

そうか、私はただ、共感してほしかったんだ。
そう気づいた。


彼女は旧友のように私の腕をさすりながら、
「もう、がんばりすぎなんですよ。無理しなくていいんです。」
と言って、
処方された抗うつ剤を飲むと、セロトニンが溜まりやすくなること、
タンパク質を摂るようにするといいこと、
朝、太陽の光を肌に直接当てるように心がけること、
貧血でなくても鉄剤を摂ったほうがいいくらい、うつ病と鉄には密接な関係があることなどを教えてくれた。


このまま通い続けるか、否か。



次からは、さらに診察時間が短くなる。
基本的に医師は薬の調整に特化し、そのほか相談したいことは、カウンセラーが担当するというシステムだった。
もう診察後のコンシェルジュによるフォローはない。

合理的では、あるのだろう。
服薬とカウンセリングをセットにするやり方はうつ治療に効果的だと思うし、医師が一人の患者にかけられる時間が限られているのは分かる。

近隣で働いていて、忙しい仕事の合間に行くにはいいのかもしれない。
通っている人や、そこで働いている人を否定するつもりは微塵もない。

けれど、私は通い続けるか分からない。

やっぱり、私を私という”一人のひと”として見てくれる病院がいいと思う。
殺風景な廊下も、だだっ広い待合室も、たくさんある小部屋も、
どれも私を「その他大勢の取るに足らないひとり」に思わせた。
それが私を寂しくてみじめな気持ちにさせたから。

他にいい病院の予約を取れたら、もう通わないかもしれない。


薬の副作用。


抗うつ剤「ミルタザピン」と、眠剤「エスゾピクロン」を処方された。

おそらく、眠剤の副作用だと思うのだけど、
今日はこの時間までずっと、頭がぼーっとして、口や手足を動かすのもだるく、眠気がひどい状態がつづいている。

とりあえず今夜は眠剤の方をもともと持っていた方に変えてみようと思う。

火曜日には娘が帰ってくる。

可愛い、愛してやまない娘なのに、その日が怖い、こないでくれと思っている自分がいる。

こんな母親で申し訳ないと思う。
でも、しかたがないのだ。
だって育児はそもそも大変で、私はうつ病なのだから。

娘を愛していることだけは事実だ。
私にできる範囲のことをしていけばいい。




すっかり長く書いてしまいました。
頭がぼーとしているので、訳の分からない文章になっているかも。

もしここまで読んでくださった方がいらっしゃたら・・・
読んで頂き、ありがとうございました🌸

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