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鬼ごっこ

今日は公園で息子と鬼ごっこをした。
最近、妙に知恵がついてきて、
鬼ごっこが、ただの追いかけっこだけでは済まなくなっている。
遊びの中に、騙し合いの要素が入ってきたのだ。

最初は、私が鬼だった。
大人には、子どものような無限の体力はない。
また、大人が全力で子どもを捕まえたら、
それはそれでいかがなものか。

私は、歩いて息子を追いかけ、息子の隙を狙った。
案の定、息子は少し高いところに登った。
これはチャンスだ。飛び降りるには少し高さがあるから、
すぐに捕まえることができる。
そして、息子が鬼になった。

大人が本気で逃げたら、それはなんだか残念な感じがするので、
息子にとって届かないギリギリのところを歩く。
息子が走るそぶりを見せると、一歩飛びのいて距離をあける。
息子はなかなかパパが捕まらないものだから、あの手この手を考える。

最初の作戦は、「鬼ごっこ、おしまい!」だった。
息子は、鬼ごっこの終了を宣言すると、手招きをした。
警戒しながら近づくと、案の定走って追いかけてくる。
やはりそうか、その程度の作戦ではパパは騙せないぞと、
一歩、距離をあけると、息子は残念そうな顔をした。

今度は、さっき捕まったすこし高いところに寝そべって、
泣いたふりを始めた。
あまりに嘘っぽい泣き方だったから、当然捕まってやるわけはない。

抱っこを求めてみたり、パパの移動はスキップだけと、
急にルールを変更してみたり、息子は、あの手この手を考え出す。

しまいには、地面に寝そべって、ゆっくり地面に頭をくっつけた。
そして、頭を打ったと大騒ぎ。
息子よ、見ていたぞ、ゆっくり寝そべったのを。

ただ、これ以上鬼ごっこを続けるのは危ないかもと、
鬼ごっこの終了を宣言してから息子に近づき、
抱き起して、その顔を見ると、ニンマリ笑っていた。
「捕まえた。」

鬼ごっこというと、本来その実態は、追いかけっこ。
足の速さが最重要な遊びだ。
まだ決して足の速くない息子が、足のはやいパパを捕まえるために、
一生懸命作戦を立てては実行し、試行錯誤をする。

人にとって、最も重要な資質の一つは、試行錯誤する力だろう。
少なくとも、新しいことをするときには、絶対的に必要な力だ。

だから、私は、来週末も息子に捕まるわけにはいかない。



・・・

ごめんなさい、嘘です。
大人げなく、ただ、捕まりたくなかっただけです。



お読み頂いありがとうございます。記事が役に立てばうれしいです。このエリアまで読んで頂いた方が、これまでもこれからも幸せでありますように。