なぜかいつも間違える

私は、基本的にはお酒は飲まないのだが、
ときどき薬用養命酒を飲む。
虚弱体質で顔も青白く、いかにも不健康そうないでたちで、
ちょっと負荷が高まると、あっという間に倒れそうになる。

そんな日が続くと、私は薬用養命酒を買ってきて、
ときどき飲むようにしている。

養命酒は、アルコールの度数が高いので、
付属の透明のカップの2メモリ目まで注いでも、
結構、酔いが回ってくる。

養命酒を飲むときは、あらかじめコップに1杯の水を用意しておき、
赤い箱から養命酒を取り出し、付属の透明のカップにお酒を注ぐ。
そして、養命酒を赤い箱に戻し、ふたを閉める。

養命酒をぐっと飲み干すと、コップの水を飲み込み、
透明のカップを水で洗う。

その時だ。いつも「またやってしまった。」と思うのは。

洗った透明のカップは、養命酒のふたの上にかぶせて保管しているのに、
なぜかいつも箱が閉まっている。
仕方なく、箱を再度開けて、カップをしまい、
また箱を閉じる。

なぜ、毎回忘れてしまうのか。
毎回、失敗して、次こそはと思うのに・・・。

そして、ふと、わかった気がしたんだ。
なぜ、忘れてしまうのか。

それは、酔っぱらっているから。
確かに、ふたを閉めているとき、私はしらふである。
しかし、後悔している今、私は酔っぱらっているのだ。

水中で覚えたことは水中で思い出しやすく、
山の上で覚えたことは山の上で思い出しやすい。
これはいわゆる、場所記憶というやつだ。

酔いにも同じような効果があるんだろう。
酔っぱらったときに覚えた記憶は、
酔っぱらったときに思い出しやすい。
酔い記憶とでも呼んでみよう。

酔い記憶をうまくつかうために、
明日、養命酒を飲むときは、前もって一杯飲んでおこう。
そうすれば、二杯目のとき、きっと箱を閉めずに済む。


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