恵方巻きが飲み込めない

お昼、近所のファミマで、恵方巻きが一本手に入った。
こういうイベントは、乗せられてるみたいであまり好きではないのだけど、
恵方巻きは美味しいから密かに楽しみにしている。

さっそく今年の恵方、南南東に向かって一口、二口。
しゃべらないで黙々と、もぐもぐと食べ進める。
期待した通りの味で、一人幸せに浸ってみる。
三口、四口、恵方巻きを口から離さないように食べ進める。
五口、六口と、食べ進めると、胸につかえはじめた感じがする。
大きく息を吸い込んで、むねのつかえを取ろうとすると、
ご飯が気管支に入りかけ、むせかける。
おお、危ない危ない。
七口、八口食べると、やっぱりつかえてしゃっくりが始まる。
まだ、終わらないか、恵方巻きは、まだまだ残っている。
ふと、幼少の頃にパンの耳が飲み込めず給食を残した記憶が蘇る。
苦しいやら、悲しいやら、なんとも複雑な気持ち。
そこからは、美味しいとかじゃなくて、しゃっくりと意地の戦いだった。
絶対に、食べ切ってみせる。

そして、恵方巻きはなくなった。
無事に全て食べ尽くした。

そして、最後にペットボトルのお茶を、グビグビ飲む。
ああ、幸せだ。苦しみから解放されるこの瞬間。
無論、その後数十分にかけてしゃっくりが治らなかったわけだが。

本件、スマホで執筆中、
妻から夕飯に恵方巻きがあると連絡があった。
やった。また恵方巻きが食べられる。
今度は、大口でかぶりつかずに、
少しずつ食べることにしよう。

お読み頂いありがとうございます。記事が役に立てばうれしいです。このエリアまで読んで頂いた方が、これまでもこれからも幸せでありますように。