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『ヒート』マイケル・マン、至高の映画的快楽

 銃を掲げて駆けるアル・パチーノの表情と動きの完璧なルック。銃撃戦の銃声の過剰な音量のリアル。デ・ニーロの表情の繊細な変化が語る感情。多くの登場人物を巧みに盛り込む脚本。役者が移動するさまを執拗に撮るマイケル・マン。これは映画的快楽に満ちた至高の作品。
 刑事とギャングが心通わせながらも、命を狙い合うストーリーも白眉。パチーノとデ・ニーロの共演は映画史的にもとても貴重で、動のパチーノ、静のデ・ニーロが交差していく。
 LAの夜景を無数の光と闇でカメラに収めるマイケル・マンの作品内統一感。あれだけの名優を使いながら、監督の個性が強烈に出ている。この作品は永遠だ。

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