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『さらば愛しきアウトロー』愛すべき銀行強盗が愛よりも大切にしたものとは?
1980年代初頭のアメリカ。74歳のフォレスト・タッカーは、そのダンディな佇まいとは裏腹に、なんと現役の銀行強盗。しかしその手口はどこまでも紳士的で、誰一人傷つけることはなかった。そして、お金以上に銀行強盗そのものを楽しんでいたのだった。事件を担当するジョン・ハント刑事も、そんなフォレストの生き様に魅了されていくのだったが。
ロバート・レッドフォード俳優引退作。最後にこんな魅力的な役を生きてくれて嬉しい。シシー・スペイセクとのシーンは、表情が特に素敵だ。そして、スペイセクが老年とは思えない美しさ。こんな美しい歳のとり方をした2人が撮れたのは、とても貴重。こんなふうに歳をとりたい。
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我らがケイシー・アフレックも彼を追う刑事をリアルで深みのある演技で演じる。家族との親密なシーンは自然と自分の家族との関係を想起させた。
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ダニエル・ハートのずっと聴いていたくなる劇伴とともに、デヴィッド・ロウリーは作品の中のいくつかの瞬間に永遠のようなものをこめた。だが、1980年代のアメリカの世界は無情にも時を刻む。永遠など嘘であり、この映画は嘘も真実もある世界。悪い意味で自分と近く、そして、人生をかけて進む道は、まだ中年の自分にあることを確かめることになった。レッドフォードはもう映画に出ないが、私の人生はついこの間、ハートを捕まえて折り返したところだった。
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