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インクルーシブデザインが為すこと

7月30日に開催されたメンバーズ・コミュニティ(略したMC)のデザインについての勉強会(モノ・コト・ヒト・シクミ ラボ)のテーマは、「インクルーシブデザイン」でした。
「インクルーシブデザイン」は、前回の定例会に参加したメンバーが「取り上げて欲しい!」と要望が高かったため、今回の定例会のテーマになりました。

まず初めに、このMCを主宰されている鈴木一好さんから、インクルーシブデザインとは何か、そして、ユニバーサルデザインなど、似たような概念との違いなどについてのお話がありました。

インクルーシブデザインとは何か

「高齢者、障がい者、外国人など、従来、デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法」だそうです。
1994年にRoyal College of Art (RCA) の名誉教授であるRoger Coleman氏によって提唱された考え方です。

具体的には、以下2つの特徴があります。

  • 参加する:「利用者・消費者・当事者」と「企業・行政・団体」そして、「デザイナー・建築家」の3者がフラットにデザインプロセスに参加をすること。

  • 排除しない:誰も排除しない、皆が機能的に使いやすくなることを目指す。

歴史的背景

次が歴史的背景です。社会の変化や要望からデザインに求められるものが時代により変化していることが、鈴木さんの話から分かりました。デザインの歴史を「点」ではなく「線」でとらえることができました。

  • バリアフリーデザイン1970年頃に、障がいのある人々が「容易くアクセスし利用しやすい製品や公共サービス、商業施設や交通システム等の建物や環境」をデザインすることを目指していました。これがバリアフリーデザインですが、多くの人にとっては関係ないデザインと見られていました。

  • ユニバーサルデザイン:米ノースカロライナ州立ユニバーサルデザインセンターのRonald Merce氏によって1985年に公式に提唱されました。これは“デザインのルール”で7原則(公平性、自由度、単純性、明確さ、安全性、体への負担の少なさ、空間性)が定められています。

  • デザインフォーオール2004年のEIDEでストックフォルム宣言の中で述べられた概念です。あらゆる人にとって使いやすい製品やサービス、システムをつくることで、ユニバーサルデザインの意味することとほとんど近似していますが、ユニバーサルデザインが“デザインのルール”であることに対して、こちらは“デザインの概念”です。

  • インクルーシブデザイン1994年にRoyal College of Art (RCA) の名誉教授であるRoger Coleman氏によって提唱された考え方で、参加型デザインで、誰も排除せず使う人の気持ちを大切にすることを目指しています。

  • サービスデザイン2004年にService Design Networkが発足して、モノやサービスのデザインだけではなく、コト・シクミ・イミという視点においてもデザインをするという概念です。

サービスデザインの具体的な例としてスマートフォンをあげてみると、以下の考えになります。

  • モノ:スマートフォン

  • コト:どのように使うのか。(例:声を伝える、データを送る、データを保管するなど)

  • シクミ:コトやイミを実現するための仕組みづくり。(例:データ保存なら、端末に保存するのかクラウドに保管するのかなど)

  • イミ:どのように意味づけるのか。(例:「電話に機能が付加された」「ミニコンピューター」「コミュニケーションツール」など)

具体的な例を見ると、イメージができて理解が深まります。

鈴木さんの説明資料の一部①(各デザインの位置づけ)
鈴木さんの説明資料の一部②(歴史的背景)

参加したメンバーの感想として

  • 「できること」×「できないこと」のように“かけるデザイン”のようなものを感じた。

  • webのエンジニアをしているが、DXやUIにおいてデザインの可能性を感じた。

  • 医療関係で働いているが、医療機器の開発において、過去のデータに加えてデザインでカバーできることが多々ある気がした。

  • インクルーシブデザインとは、出来上がった製品やサービスだけではなく、一緒に作り上げるプロセスまで含まれることがユニーク

  • 〇〇デザインという言葉が多々あるが、歴史的流れ、その言葉の意味することが体系立てて理解できた

様々な感想が出ていました。
次回の定例会(9/11)では、インクルーシブデザインの考えを体験する簡単なワークショップが予定されています。

ビジネス分野においても、デザインやアート的思考が大切と言われ、〇〇デザインという言葉が飛び交っていますが、その違いを鈴木さんのお話を通じて理解することができました。正に「点→線」になった感覚です。
次回のワークショップを経験することで「線→面」になるのかなと思います。
次回も楽しみにしています。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

#アカデミーヒルズ #メンバーズ・コミュニティ #インクルーシブデザイン #RCA #デザインについての勉強会


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