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ChatGPTは楽しい相棒!-セレンディピティな情報との出会い-

メンバーズ・コミュニティ「デザインについての勉強会」の定例会を8月27日に開催しました。
「私が知っていることすべて教えます!あなたの知っていることも教えてください!」をテーマに、ChatGPTを仕事でどのように活用をしているかについて情報を交換しました。

ChatGPTと一緒に企画書を作ってみる

今回の定例会は、主宰の鈴木一好さんが、ChatGPTをアシスタントにして、新しくオープンさせるお店のプロモーションを考えるという前提で会を進行しました。

新しいお店の情報は以下です。
・物件:西麻布の裏通りに面した20坪程度のカフェ
・キーワード:オーガニック、手作り、オリジナル
・メニュー:飲み物、食事
・オープン時間:11時~23時

次に以下の項目について、ChatGPTへ質問しました。
・成功するための絶対条件
・ペルソナ(リピーター / SNSで情報をシェアするインフルエンサー)
・上記のペルソナへ訴求するためのキャッチコピー
・カフェのロゴ(キャッチコピーとの整合性を考慮して5案)
・ロゴについて、色(カラーコード)と文字部分のフォントの提案
・オープンまでに必要なプロモーション(最小限の費用 / 標準的な費用)

最後には、「企画書の構成を考えて下さい」と依頼をしました。
1回目の回答の後に、「もっとプロっぽい企画書の構成と専門家らしい文章にしてください」と再依頼をすると、ChatGPTは「申し訳ございません。再度、プロフェッショナルな視点から企画書の構成と文面を提案いたします」ということで、以下の提案がありました。


■カフェ企画書の構成

  • 表紙:タイトル「西麻布裏通り 新規カフェ立ち上げ企画書」、日付、作成者名、所属

  • エグゼクティブサマリー:企画の要約と主要なポイント

  • 市場分析:西麻布エリアのカフェ市場の現状、ターゲットセグメントの特性

  • ビジョン & ミッション:カフェの長期的なビジョン、短期的なミッション

  • ブランドアイデンティティ:キャッチコピー、ロゴデザインとフォント、カラースキーム

  • ターゲット顧客のペルソナ定義:リピート利用するお客様のペルソナ、SNSで話題のカフェに来るお客様のペルソナ

  • マーケティング & プロモーション戦略:最小限の費用でのプロモーション、標準的な費用でのプロモーション

  • 予算 & ROI予測:初期投資と運営費用の概算、収益予測とROI

  • 結論

  • 付録:参考資料や画像、データソースなど

■文面のサンプル

  • エグゼクティブサマリー
    本企画書は、西麻布裏通りに新規オープンを予定しているカフェの立ち上げに関する詳細な戦略と実行計画を示すものです。オーガニック、手作り、オリジナルをキーワードに、独自性を持ったサービスを提供することで、競争激化する市場において独自の位置付けを確立します。

  • 市場分析
    西麻布エリアは、多様な飲食店やカフェが集まる場所として知られていま
    す。近年のトレンドとして、健康志向や個性的な体験を求める顧客が増加しており、このニーズに応えるカフェの需要が高まっています。このように、各セクションに専門的な文面を取り入れて詳細に記載していきます。企画書は、意思決定者や関係者が内容を正確に理解し、行動を起こすための道具であるため、明確で具体的な情報提供が求められます。


もっともらしい企画書の構成だと思います。
自分が実際に企画書を作成する場合を想像すると、ゼロから考えるよりも助かるな!と素直に感じました。

企画書を作ってみての気づき

ChatGPTと一緒に企画書を作成している途中で、参加メンバーから様々な質問や問いかけがありました。

①どのように入力するのが良いか?
これは正にプロンプトエンジニアリングと呼ばれ、ChatGPTなどの生成AIを使いこなすために注目されているそうです。命令(プロンプト)の方法によって、出力される内容の質が大きく変わるために、より適切なものを入力するスキルが求めらています。
鈴木さん曰く、「指示の内容を具体的に、正確に表現することが重要だが、一度だけではなく、何度か会話を繰り返すことで精度を上げていくことも大切」と言われます。

②ChatGPTはキャッチコピーが苦手?
企画書を作成するにあたり、キャッチコピーを出力してもらいました。しかし、「キャッチコピーとしては不自然な表現が多いので、キャッチコピーであれば、ChatGPTよりもCatchyというキャッチコピー専用のサイトの方が良い」との鈴木さんのアドバイスがありました。

早速試してみたメンバーからは、「ChatGPTよりもCatchyの方が魅力的な表現だと思う」などの意見が出ました。
また、「サービスを限定することによって、それ専用のチューニングをしているから精度が上がっているのだと思う」というメンバーからの声もありました。

③複合技で使ってみる

ロゴのデザインを尋ねたときに、ChatGPTは最後に「これらのアイデアは、キャッチコピーとの整合性を考慮して提案しています。具体的なデザインは、専門のデザイナーに依頼することをおすすめします」とのこと。
そこで、ChatGPTが提案したロゴの説明のテキストを、AIで画像の生成ができるサイト(AdobeCanvaseaart等)に、「未来的な感じ」、「3Dで」や「赤系で」等の指示と一緒に入力すると、それっぽい画像が生成されてきました。
何をしたいのか、目的に合わせて生成AIのサイトを抱き合わせて使ってみるという方法もあるようです。

④優秀な作品を創る学生とは?

ここで鈴木さんが興味深い余談をしてくれました。
デザインを学ぶ学生の傾向として、優秀な学生は積極的に生成AIを活用しているようだというお話でした。
どのように活用しているかというと、サイトのテンプレートやAIが作る画像を片っ端から調べて、それらを参考に自分でデザインを考えて創り始めるそうです。生成AIを教科書代わりにして、自分のアイデアのもとにしている訳ですね。

⑤フェルミ推定を使っての推測

フェルミ推定とは、Wikipediaによると「実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること」だそうです。
例えば、上記の企画書の「標準的な費用でのプロモーション」を尋ねるときに「フェルミ推定を使って」と入力すると、オンライン広告やオープニングイベント、屋外広告等の標準的な予算を出力します。
そして、最後に「フェルミ推定は大まかな推定方法であり、実際の金額は様々な要因によって変動します。具体的なプロモーションを行う際は、各サービス業者からの見積もりを取得することをおすすめします」とエクスキューズが入ります。
しかし、「フェルミ推定を使って」と入力すると、とにかく何等かの回答を出してくるそうです。逆に入力しない場合は、時間がかかったり、途中で回答を拒絶したりと、「機嫌が悪くなる、やる気が無くなる」と鈴木さんはChatGPTに対してユニークな表現をしていました。

最後に、ChatGPTに代表される生成AIをどのように仕事に活かしていくのか?という問いについて鈴木さんは、「相棒にして仲良く付き合っていくことが良いのではないか!」と言われます。
「デザインやプロモーションの業務は、クライアントや前提条件によって、目指すゴールやその取り組み方が変わります。外見上は同じワークフローに見えても、その実施方法や関与の仕方はケースごとに異なるのが特徴です。いわゆる非定型業務です。
非定型業務におけるChatGPTの活用方法は多岐にわたりますが、その中で特に重要なのは『ChatGPTの能力を100%引き出す』ことよりも、『一緒にやっていて楽しい相棒や相談役、パートナーとしての存在』を期待することです」と説明してくださいました。

今回の定例会を通じて、生成AIを使ってセレンディピティな情報に出会うことができると思いました。
それによって、自分の視野が広がり考えを深めることができるのではないでしょうか。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

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