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「1,000 True Fans」と研究を加速する - academist Prize 第4期の挑戦

こんにちは!アカデミストの柴藤です。

2024年6月4日より、academist Prize 第4期に参画する研究者の募集がスタートしました。第4期のテーマは「研究ファン、1,000人計画」。2024年9月から1年間、選抜された4期生たちがサポーター数1,000人を目指し、研究活動を継続的に発信していくプログラムです。

academist Prize の目的 - Open academia の実現に向けて

アカデミストのミッションは、研究者が研究Visionを自分の言葉で継続的に発信することで、研究に共感する多様なステークホルダーと支援を通じてつながり、研究を加速する機会を最大化する仕組みをつくることです。私たちはこの仕組みができた状態を「開かれた学術業界(Open academia)」と呼んでいます。

academist Prize は、Open academia を体現するプログラムのひとつで、2021年から実施してきました。これまで若手研究者28名がそれぞれの研究活動を発信した結果、サポーター700名以上とスポンサー企業12社から、合計650万円以上が流通しています。研究助成プログラムとして見ると流通総額は少ないですが、私たちは研究資金の流通量以上に研究者とサポーターの交流を通じて「偶発的なシナジー(Serendipitous synergy)」が起きる確率を上げることを重視しています。

academist Prize 第3期のマイルストーンイベントの様子

Visionを軸とした新たな協働の形

先日、academist Prize 第3期で偶発的なシナジーが生まれました。3期生の櫃割仁平さんが、第3期の企業サポーターであるさわかみ投信株式会社に「研究顧問」としてジョインしたのです。

櫃割さんもさわかみ投信さんも、当初はこのような協働を想定していませんでした。

なぜ、このようなシナジーが生まれたのでしょうか。その理由は、産業界のニーズと学術界のシーズではなく、企業のVisionと研究者のVisionを軸に両者が関係構築を進めたからです。目的ありきで研究者や企業を探すのではなく、Visionを起点に交流し、そのなかで協働するイメージを膨らませていく。このプロセスは不確実性が高く、時間もかかるかもしれません。しかし、偶発的なシナジーを生み出すうえでは、むしろ最短の経路なのです。

「研究ファン、1,000人計画」で目指すこと

academist Prize 第4期では「研究ファン、1,000人計画」をキーワードにプログラムを進め、思いがけない出会いから生まれる相乗効果を増やしていくことを目指します。1,000人という数字には、いくつかの点で重要な意味があります。

まずは、資金面のメリットです。1,000人から academist Fanclub の平均支援金額である月額900円の支援を受けられれば、年間約1,000万円の研究活動資金を得ることができます。利用用途は自由ですので、独立系研究者として研究を進めることも可能です。大学・研究機関に所属しなくても研究者が実現したい研究Visionにチャレンジできる選択肢を持てるようになります。

次に、研究Visionの解像度を高められることです。100人のサポーターの場合は、顔の見える方々からの支援が多くなりますが、1,000人のサポーターは、より多様な支援動機やバックグラウンドを持っています。研究者は、そうしたサポーターから多方面にフィードバックを得ることで、自身の研究Visionの解像度を高めることができます。そしてこのプロセスから、偶発的なシナジーが生まれる可能性があります。

最後に、社会的インパクトです。学術業界で「1,000 True Fans」を実践する事例はほとんどありません。「1,000 True Fans」が実現した Open academia の世界では、どのように知が生まれ、伝承されていくのか。私たちは、日本発で世界にインパクトを与えるような、新たなアカデミアのモデルを社会実装していきます。

第4期の3つの取り組み - 研究者の挑戦を多角的にサポート

第4期では、選抜された研究者が academist Fanclub の仕組みを活用し、研究Visionを軸に研究活動を発信します。しかし、個人の力だけで1,000人のサポーターを集めるのは簡単ではありません。そこで私たちは、以下の企画を通じて研究者の挑戦をサポートします。

  1. Prize発表イベント(年3回):4期生と研究を応援するサポーターたちの集うハイブリッドイベントを年3回開催し、交流の場をつくります。研究者にとっては、自身の研究を発信し、フィードバックを得る機会となります。

  2. ”1,000 True Fans” 特別レクチャー(年9回):”1,000 True Fans”を実現する研究者やコミュニティづくりのスペシャリストたちを招いた特別レクチャーを実施します。研究者は、サポーター獲得のヒントや実践的なノウハウを学ぶことができます。

  3. ”1,000 True Fans” 特別ワークショップ(年1回):”1,000 True Fans” が実現した後、どのように研究を加速するのか。福岡県太宰府市にて1泊2日のワークショップを開催し、ステークホルダーを交えてVisionを構想する場をつくります。

さらに、月末時点のサポーター数に応じて、Matching Pool から追加で研究活動費(総額100万円)を受け取ることができます。上記以外にも、”1,000 True Fans” の実現に必要なことを日々模索し、4期生チームとのシナジーを最大化していく予定です。

研究者と伴走し、シナジーを生み出す

私たちが目指すのは、単に研究資金を提供する仕組みをつくることではありません。研究者との協働により、1,000人のファンを巻き込み、サポーターとの交流を通じて研究者が自身の研究の意義や可能性を再発見し、研究を加速させるシナジーを生み出すことが、academist Prize 第4期の目的です。

オンライン説明会は下記の3日程で開催予定です(申し込みはこちら)。皆さんのご参加をお待ちしています!

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