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【難関奨学金に採用されたものを公開】審査にとおる研究計画書の秘訣まとめ(理系)

大学院に進学する予定の方々は、経済的なサポートを受けるために学振や各種奨学金を検討する人は多いでしょう。

現在では、国をあげて、大学院生(とくに博士課程学生)に向けた経済的支援への取りくみがとても盛んになっています。

詳しくはこちら

一方で、民間でも奨学金制度を設けてくださっている企業が多数あります。

このような奨学金は借金かと思われがちですが、探せば「返還する必要のない奨学金」はたくさんあります。

  1. 給付型の奨学金

  2. 貸与型ではあるが、条件を満たせば一部 or 全額返還免除の奨学金

※ちなみに貸与型の返還免除の条件とは、アカデミックポジションで大学教員や研究者として就業することである場合が多いです。

これらは借金ではなく、もらえる奨学金です。

研究者を目指す人はとくにおすすめです。

研究計画書の重要性

さて、このようなフェローシップや奨学金に申請するためには、研究計画書の提出が必須です。

むしろ、研究計画書の出来の良さで、採用の合否が分かれるといっても過言ではありません。

つらつらと研究のすごさや新規性を述べるだけでは、絶対に採択されません。

採択されるためには、研究計画書に必ず入っていないといけない要素があります。

今回は、実際に難関奨学金に採用された筆者の研究計画書を紹介しながら、そのノウハウやコツをお伝えしていきます。

筆者の奨学金などの採択実績

私は修士と博士課程の両方で、貸与型の奨学金のサポートを受けることができ、生活費の面でかなり助けられました。

自慢ですが、その後の科研費申請でも、今のところ2回申請中2回とも採択されています。

(なお、博士課程時代は研究室からお給料もいただいていたので、学振DCへの申請資格はありませんでした)

奨学金でも科研費でも、申請書を書くにあたって意識していたノウハウやコツは変わっていません。

つまり、これからご紹介する方法は、さまざまな奨学金や学振、科研費等の申請書に汎用性のある方法であるといえます。

なぜ筆者がそのノウハウを身につけることができたか?

それは学生時代に所属していた研究室のおかげです。

当時の研究室のボスは「研究費を獲得する力」を育てることにも重きを置いていて、私も学生時代から奨学金や研究助成などに挑戦するよう指導されてきました。

この研究室で良かったことは、

  1. これまでに採用されてきた申請書を研究室全体で共有していた

  2. 学生が申請書を書くときには、ボスや先輩方が厳しく添削してくれた

このような方法で、お金に恵まれたビックラボとなっていました。

今回公開する研究計画書

私が博士で採用された民間奨学金は、採用には「経済的困窮度よりも、成績や研究に対する熱意・取り組み内容を重視」するものでした。

そのため、第一次の書類選考では、研究計画書の重要度がとても高かったであろうと予想できます。(ちなみにその後、二次選考(面接・研究発表)、最終選考(面接)へと進みます)

採用者数は全国の医学・薬学・バイオ学系、理学系、工学系、情報学系等の理系全分野で計10名とわずかな人数です。

この記事では、このように高倍率な奨学金競争を勝ち抜いた研究計画書を一部マスキングして公開します。

形式は「A4」3枚に自由記載です。

この記事で研究計画書とあわせて紹介する内容

この記事では研究計画書に沿って、以下のことについても言及していきます。

  1. 構成と要素
    研究計画書の基本的な構造と要素について解説し、どのように組み立てるべきか

  2. 書き方のコツ
    気をつけるべきポイントや、注目を集めるためのテクニックについて

  3. 成功の秘訣
    実際に奨学金を獲得した成功事例を通じて、どの要素が重要であったか筆者なりの考察

公開した申請書をテンプレートとして、申請書に再利用していただくこともできます。

なお、公開する申請書は、身バレ防止のために研究や所属に関するキーワードを「〇〇(病態)」や「〇〇(治療法)」、「物質1」、「〇〇大学」などとして変換していますが、全体構造や文章の意図などは読み取って頂けると思います。

大変申し訳ありませんが、実際の研究計画書を公開するため、有料記事にさせていただきます。

これから、アカデミックな道に進む方は、このような研究計画書を書く機会は非常に多いです。汎用性のある内容なので、ぜひ記事を参考にしてみてね。

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