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バトンが渡されて─山崎貴監督セレクション 歴代ゴジラ上映会その4

いよいよ明日、公開となる
ゴジラ映画最新作『ゴジラ-1.0マイナスワン』。

その監督・脚本・VFXを務める
山崎貴氏によるゴジラ映画セレクションの
最終回が先日、開催されました。

選ばれたのは『シン・ゴジラ』。

毎回、山崎監督と共にゲストを招いての
トークショーもあり、今回は当然、
同作の総監督である庵野秀明氏が登場。

その影響もあって、
これまで取れていたチケットが
完売していて買えず。

しかし、それを見越していたのか、
この日はトークショーの生中継と合わせて、
全国6つの映画館でも上映されることに。

そこで、そのうちの一つである
日比谷のTOHOシネマズで観覧しました。

両監督のトークショー、
まず驚いたのが庵野監督自らMCを務めたこと。

過去3回は、アナウンサーが同席して
トークを回していたのですが、
初めから庵野監督が出てきて、
台本に書かれた注意事項の読み上げからスタート。

その後、庵野氏により山崎監督が呼び入れられて
「クロストーク」の開始。

冒頭、「騙された」と文句を言う庵野氏。
中継までされるのに地味な茶色いカジュアル。

「山崎監督が普段着で来るので、庵野さんも」と言われたと。

スーツもダメ、と聴いていたのに、
山崎監督がジャケットを着ていたので騙された、と。

山崎監督の方は、年上である庵野監督が来るので、
少し気を遣ってジャケットを着てきた、とのこと。
それでも十分、地味だと思いましたけど(笑)


クレジットに「監督・脚本・VFX」と
表記する山崎監督に、
庵野監督からのツッコミ。

「特撮とは書かないんだね」
「僕のはビジュアルエフェクトなので」
と答える山崎監督。

「やっぱり洋画なんだ。そっから完全にこう」
と言いながら、二人の間を手で切る仕草の庵野氏。
「僕は特撮の方なんで」
「シン・ゴジラCGじゃないですか」と返すと、
「僕はCGで着ぐるみを再現しているの」と。

それに関連して、シン・ゴジラ制作当時、
アメリカで仕事をしていた
ものすごい技量を持つクリエイターが
呼び戻されたのですが、
それは庵野監督が依頼したものではなく。

着ぐるみを始め「特撮」の再現を目指す庵野監督にとって、
ゴジラの体表面を本当の生物のように表現するなど、
そういう部分の緻密なCGをしたいとは
全く思っていなかったため、
そのクリエイターの仕事が全然ない、
というもったいない状況になってしまったのだとか。

この他にもおもしろいやり取りがありましたが、
詳しいトーク内容はYouTubeに動画がアップされたので、
興味のある方はぜひ覗いて見てください。
(一部カットされているようです)


ちなみにこの日上映されたシン・ゴジラは、
『シン・ゴジラ:オルソ』と題し、
モノクロ版の上映でした。

「オルソ」はモノクロフィルムの一種、
「オルソクロマチックフィルム」
にちなむ名称。

赤系統の色が感光されない、
重い質感の映像が撮影できる、
というオルソフィルムの再現を目指したとか。

全体的にザラつきのある映像にもなっていて、
まるで古い映画を見ているような
感覚にもなりました。

色味がない分、グロテスクさは低くなりつつ、
明暗のみの映像で、表情を感じさせない
このゴジラは、特に夜のシーンの不気味さが
増していました。

この日の上映に加えて、翌日と翌々日にも
上映されたので、トークショーは観ていないけれど
こちらは観た、という人も少なくないのでは。

さて、いよいよ明日公開の『ゴジラ-1.0』。

庵野監督とは異なり、
着ぐるみの再現を目指すわけではない
山崎監督のゴジラがどのような描写になっているのか。

早速明日、観に行ってきます!

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