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感謝の言葉はタダ?

「お金目当て」という言葉を聞いたとき、
みなさんはどう感じるでしょうか。

いい印象を持たない人が多いかもしれません。

相手を非難する意図で使う人もいるでしょう。

ではこの場合、「お金」に対する価値を
どう考えていることになるのでしょうか。

「お金は要らない、感謝の言葉があればいい」
「お礼くらい言ったっていいでしょう、タダなんだから」

こんなふうに話す人に出くわしました。
この人は、お金と感謝の言葉、
どちらの方が価値が高い、
と考えていることになるでしょうか?

この場合の「タダ」という言葉が0円だと考えれば、
  お金>感謝の言葉
と考えていることになりますね。

一方で、感謝というのはお金で買えるものではない、だから
  感謝の言葉>お金
と考えることもできます。

でもよくよく考えてみると、
この人はお金を評価の基準として
考えていることになるので、
お金をどうでもいいもの、
とは考えていないことがわかります。

だから本当のところはやっぱり、
  お金>感謝の言葉
と考えているわけです。

つまり、感謝の言葉を軽んじていることになります。

だから、

「感謝くらいしてくれたっていいじゃない」
と言ってしまったりします。

しかしこれを言ってしまったら、実はおしまいです。

なぜなら感謝とは、
自然に湧き上がってくるのが本来です。

この言葉を投げかけることで、
相手が「ありがとう」と言ったとしても、
そこに感謝の念がこもっていることは、
まずありません。

だから本当の「感謝」を
受け取ることができなくなるわけです。

これに対して、
「いや、感謝というのはお金で買えない価値あるものだ。お金よりも感謝を重視しているのだ」
と言ったとしたら、さらに泥沼。

お金よりも価値のあるものを、
相手から無理やり奪おうとしていることになり、
それはもはや、泥棒と一緒です。

ですが、お金は相手から
無理やり奪うこともできますが、
感謝は無理やり奪うことはできない、
というのは、さきほど書いた理由から明らかです。

そもそも、お金と感謝の言葉を
比較すること自体がナンセンスだ、
という人もいるかもしれません。

では、冒頭で書いた「お金目当て」
という言葉について考えてみましょう。

この言葉を使う人は、
他のものよりもお金の方に
より価値を置いていることがわかります。

なぜならこの言葉を使うとき、
相対的に他のものの価値を
低めていることになるからです。

背景に、
「もっと価値の高いものを得ようとしている!」=「より高く請求しようとしている!」
という非難の気持ちがあるからです。

自分の場合、「お金目当て」という言葉を言われたら、
やっぱり嫌な気分になります。

「より多くの価値あるものを得ようとしている、欲張りだ!」

と言われているように感じてしまうからです。

つまり、自分自身も、
お金に高い価値を感じていることになるわけです。

この場合の「高い価値」というのは、
必要以上に高い価値、ということです。

お金というのは数字で表されるので、
決まった基準があるように感じてしまいますが、
実は相対的なものに過ぎません。

それは、物の値段が変わることからも明らかです。

わかりやすいところでは、
子どもにとっての100円と、
大人にとっての100円の価値が
違うことを考えてみてもそうですね。

このように、価値基準が定まらない、
という意味で、お金と感謝の言葉は
並べて考えることができるものなのです。

……と、思いつくままに
ダラダラと書いてきましたが、
結局なにが言いたいかというと、
自分がなにかに対して感じている価値について、
意識的に考えてみることが大事なのではないか、
ということです。

そうでないと、自分が得たものに対する
本当の価値を感じ取ることができなくなるし、
行動基準も曖昧なものになってしまうからです。

みなさんはどう思われますか?

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