あの鼻の奥がツンってする感覚 part.3

胸ポケットのスマホは1つのスピーカーになった

僕は長いことApple製品を使っとる。中学2年に初めて持ったiPod touchから始まり、高校1年でiPhoneの5sを持って以降6sからXへ変遷して現在は11proを使用し、入学した大学の事情もあってMacBookを持った。リンゴさんに僕はお世話になっとるなと書いとって感じた。ありがとう。リンゴ!

iPhoneを持って高校へ入学し、初めての夏を迎えた。2014年の夏。そのときに転機は訪れた。幼馴染の奴と通学しとってそいつが夏服の胸ポケットにスマホを入れとったのだ。それまでズボンのポケットに入れとった僕には画期的な入れ方やった。
関係ないけど、そいつの耳にはイヤホン。危ないなぁって見とった。

それ以降の僕は胸ポケットにスマホを入れることが高校生っぽいなって思ってどこか誇らしくなった。iPhone5sがサイズ的に胸ポケットにフィットしとることもあって気分も高揚したことを何となく思い出す。

夏休みを目前に控えて僕はスマホから音楽を流し始めた。音量は小さかったり大きかったり。人が通る時は必ず音量は小さくした。少し恥ずかしい気持ちがあったのかもしれへん。それ以外は音量を上げる。それを卒業まで繰り返した。

ミスチルが好きやったこともあってミスチルばかり聴いとった。それがレミオロメンになってback numberになってフジファブリックになってエレカシになって。それがいつしかBPMが早い曲をプレイリストにぶち込んで聴くということへ変化した。高校2年の朝からそれを聴くことが増えたと記憶しとる。

片道10キロで45分間の通学時間。帰りも同じ。最初は憂鬱やと思っとった長距離の自転車通学が音楽を流すだけで楽になって楽しくなった。
胸ポケットのスマホは1つのスピーカーになって心を躍らせた。必然かもしれへんけど、あのとき聴いとった曲を今聴くとあの風景を思い出す。それが僕にとっての1つの青春やなぁと。

次回「レミオロメンは失恋の味」

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