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マツオウジ(松旺子)Lemtinus lepideus


時期

夏から秋にかけて(福岡県では4月~9月ごろまで観察することができます)
場所によっては、古くなった子実体が1年中見られることがあります。

発生環境

クロマツやアカマツの切り株や倒木に発生します。特に古いマツの切り株、倒木に生えている姿を見ることが多いです。

沢沿いのアカマツの古い切り株から生えていました

特徴

マツオウジは、遠目からでも生えている姿が確認できるほど、とても大きなきのこです。見た目がマツタケのように見えるものもあって一瞬「ドキッ」となりますが、残念なことに本種は木から生えているし、マツタケとは全く異なるきのこなのです。

【傘】
傘の大きさは最大30㎝ほど。表面はクリーム色~淡褐色をしていることが多く、褐色の鱗片を傘一面に付着させています。古くなるにつれて、傘の色も黄ばんでいき、最終的にはさび色~黒色へと変化していきます。時に、1年間も枯れた姿を見かけることもありますが、ほとんどの子実体はナメクジ類や甲虫類に食べられるので跡形もなくなってしまうことが多いです。
ちなみに、稀に傘の鱗片が目立たないものも発生します。

傘の表面は粗い鱗片をつけています
傘の鱗片がよく目立つもの。
日陰にはえていて、傘の鱗片が目立たなかったもの。

子実体は古くなると、オレンジ色を帯びてきます。

【柄】
柄は傘と同じ色で、褐色の上向きのささくれがついています。

柄はささくれがよく目立ちます。
上向きのささくれをつけています
時に、ささくれが目立たないものもいます

【ヒダ】
ヒダの縁がのこぎり状に切れ込んでいます。

ヒダはギザギザしています
ヒダと柄の境目ははっきりとしていません

【胞子紋】
マツオウジの胞子をとってみると、白色の胞子紋でした。

マツオウジの胞子紋

※以前、「マツオウジ」と「ツバマツオウジ(Neoentinus lepideus)」はタイプ別に表記されることが多かったですが、現在は別種となりました。


ABURAYAMA FUKUOKA自然観察センター

福岡市油山にすむ生きものの標本や季節の展示、最新の情報発信を行っています。各専門スタッフが交代で常駐していますので、自然・生きものの困りごとはお気軽にご相談ください。

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