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待望の三作目『蒼き雷霆ガンヴォルト鎖環』感想

蒼き雷霆アームドブルーガンヴォルト鎖環ギブス』のsteam版がリリースされました!

 ずっと待っていたので嬉しい!

 当記事は蒼き雷霆アームドブルーガンヴォルト鎖鎖ギブス』真エンドまでのネタバレを含みます。
 未プレイの方はご注意ください。

 はじめに

 率直に言って面白かったです!
 元々三部作構想があったとは聞いていたので、満を持して登場した三作目がどんな話になるのか期待するとともに、本来三作目に出す予定だった内容が二作目に登場してしまっているらしいという話もあって若干不安もありました。
 そんな中、ドキドキしながらプレイした『鎖環ギブス』。細かいツッコミどころはたくさんありましたが、真エンドまでプレイしてみてなんだかんだ「やってよかったなぁ」という気持ちになれました。

以下個別感想


アクション

 いつもの爽快でカッコよくて取っつきやすいアクションゲームが再来しました。爪のアキュラのブリッツダッシュは相当光速はやかったですが、新キャラきりんちゃんの護符ダッシュもかなり光速はや。慣れてくるとスタイリッシュにビュンビュン飛び回れます。護符撃封ちデバフウチと読ませてくるのはヤバいセンスだなと思いつつ、真エンドを見るところまでやってもまだやり続けてしまう中毒性は健在です。

ライブノベル

 これだよこれ!!
 イクスでは廃止されていたので、爪ぶりのライブノベルです。戦闘中にワチャワチャやってるこのノリがやっぱり好きですね。一生懸命コントローラーを操作している最中に流し込まれる、様子のおかしい会話が患部に染みわたります

GVときりんの操作感

 今作は二人の主人公がそれぞれ独立操作キャラだった『爪』とは違って、きりんとGVを切り替えながら戦うというシステムでした。きりんとGVの基本的な操作感は共通で、最初はきりんでプレイしつつ、ゲージが溜まったら必要に応じてGVに切り替えるといった感じです。GVの操作パートは完全に必殺技枠。初登場のきりんとGVのシステム的位置づけがどんなもんかと思ってみれば、なかなか良いバランスでした。GVのシリーズを重ねるごとに紆余曲折あって盛られていった強さもちゃんとシステムに組み込まれてよかったです。

きりんとGVがちゃんとバディしている

 前述の切り替えシステムとストーリーがちゃんと噛み合っていて、GV&モルフォのような戦士&守られつつサポートする人という関係性ではなく、どちらも矢面に立って戦えるし、お互いをサポートすることもできるといった関係性が新鮮でした。プレイ前の不安もなんのその、鎖環はちゃんときりんとGVの両方が主人公として活きていたと思います。ゆっくり壊れていく自己犠牲の戦士だったGVに、きりんちゃんという一緒に破滅してくれないタイプのメンタルもフィジカルも強いバディができてお母さんは安心したよ…… 巫女として変わった環境で育ってきたきりんちゃんにGVが疑問を抱いたり、真面目ボケをかますGVにきりんちゃんがざっくりツッコんだりと、ライブノベルで展開される二人のやりとりはかなり楽しかったです。

GV人間やめちゃった

 育ての親を殺し、守りたかったヒロインも失ったGVが、とうとう人間の枠から外れてしまう展開自体はアツくて納得もできる流れですが、人間をやめたキャラを人間社会の話に絡ませるのはなかなか難しいことだと思います。
 その点、鎖環は上手く「限界突破してしまったGV」という素材を扱えていたと思います。きりんというもう一人の操作キャラとのバランスや、ワンコ形態等の設定がちゃんとまとまっていて、かつGVの底抜けの優しさが損なわれないままヤバい強さも体感できてよかったです。

仲間の存在感が強化されている

 今回の協力者NPCはなんと序盤ステージのボスが仲間になる展開。どんどん手持ちが増えてきます。ポケモンかな? 無印のジーノや爪のシャオなど、設定上能力者らしいけど能力を使っているシーンがないのでいまいち印象の薄かった能力持ち協力者NPCですが、鎖環では本当に能力を使って戦っているところが見られます。何なら後半のステージでフィールドに登場して実際に敵を倒してくれたり、足場を作ってくれていたりするので、今までよりずっと一緒に働いている感が演出されています。それゆえ先行して敵幹部にやられているのも可愛く思えてきます。
 プレイヤーとしては今作が一番仲間たちみんなに愛着がわきました

敵が死なない…!?

 今作はなんと倒した敵が死んでいません。
 これまでステージボスはほとんど見敵必殺、外伝のイクスでは「なんかよくわからないまま倒したころしたボスの恋人が、後のステージでボスとして登場し復讐を果たそうとしてくるがそいつも最終的には倒すころす」といった展開まであったのに、鎖環では……敵を……倒しても……殺さない!!!
 一部死なないキャラがいるとかいうレベルではなく、本当に死なない!
 きりんの能力が「封印の力」という性質であることも関係してか、今回の戦闘はあくまで敵を無力化しているだけ! 命は取らない!

一面でさらっと言っていた「命までは取らない」がマジのやつでした


 まさかガンヴォルトシリーズで、これまで戦ってきたステージボスたちが「これからはいい方向に頑張るぞ!」と元気な姿で生きてエンディングを迎えているのを見られるとは……これが一番の驚きですよ……
 紫電などの殺すまでやらないと止められなかったボスたちや、話が一生平行線のアキュラと違い、ZEDΩ.ジエドはなんと生きてるうちに「うーんやっぱ俺のやり方よくなかったかも! ごめん!」と改心してくれる! ずえど様はさすがだべ!
 ガンヴォルトシリーズ独特の勢いはそのままに、陰鬱さが少し軽減されていたように感じます。
 だからこそ、GVが死なずに終われるエンドが真エンド扱いで存在しているのだろうなと思いました。ノーマルエンドだと、他のみんなは助けられたのに、GVの命だけは救えなかったということで。それはそれでエモーショナルですが。


皇神スメラギグループなかなか潰れないな

 トップがやられてもテロが起きても世界が滅びてもなかなか潰れない皇神グループですが、鎖環でも健在です。
 規模が大きくいろんな事業をやってるだけあって、多少ドンパチやってもこの皇神グループそのものが無くなることはそうそうないのかもしれませんね。


気になった点

・もういないモルフォが具現化し続けてるのはちょっとコワい
 シリーズの売りである電子の謡精サイバーディーヴァモルフォを無くしてしまうことはできなかったのでしょうが、前作の爪でモルフォとの別れを経験したのはなんだったんだ……となってしまいました。

・シャオはなんだったんですか?
爪のラストで意味深な引きをしていたシャオに関する伏線が、鎖環では回収されませんでしたね……

・ガチャ
 俺はなんで買い切りゲームをやってるはずなのにガチャをしているんだ?
 スキル付き装備品にキャラグラがついてるのはまあいいです。それを集めたり自由に組み合わせたりできるというシステム自体もいいです。
 なんでガチャっぽい演出がくっ付いてるんですか……? 
 そして実際確率排出のガチャなんですけど……?
 急に差し込まれるガチャ演出でシュールな気持ちになりました。買い切りゲームを周回してガチャ券を集めるとは……?

電子の踊精敵側のディーヴァちゃんの印象が薄い
 ディーヴァ要素がこのゲームの売りなのはわかります。敵側にも専属のディーヴァがいて、敵をサポートしていたら面白いというのはわかります。真ボス戦でそれが主人公に協力してくれたらアツいというのもわかります。
 でもその要素をやる以外のキャラ性が薄く、本当にただいるだけの子になってしまっていたのがちょっと残念でした。鎖環自体がGVや暴走能力者をめぐる物語で、電子の謡精サイバーディーヴァがメインではないだけにモルフォと同じく扱いがおざなりだったなと感じます。
 電子の踊精レイラ以外のATEMSのメンバーは、ライブノベル等でそれなりに人となりを感じさせる描写が用意されていたので、なおのことレイラのことだけよくわからないまま終わったのがもったいない気がします。というか、協力者になるキャラも含めて、今作のネームドキャラの中で一番印象が薄いまであります。

・真エンド描写追加
 自分が真エンドをプレイしたのが2022/11/2なのですが、10月末のアプデで真エンドにシーンが追加されていたようです。
 自分は最初からアプデ後の真エンドを見ていたと知り、一体どこが変わっていたのかとアプデ前の真エンド動画を見に行ったんですが…… 
 あの、まさかメビウスとの対話シーンが丸ごと追加されていたとは想像してませんでしたよ!? ここがないと本当になんでGVが飛び立ったのか分からないじゃないですか!? 早期にプレイしてまだ見てない方がいましたら、ぜひご確認ください。

 

まとめ


 『蒼き雷霆ガンヴォルト鎖環』はGVの物語という意味で良い三作目だったと思います
 多少気になるところはあれど、ガンヴォルトシリーズが持っていた独特の空気感やシステムなどを継承し、令和にやっても楽しめるレベルのゲームとしてリリースされたものだと感じました 
 これまで強すぎるがゆえに孤独で守るばかりだったGVが、満を持して暴走しながらも、新キャラきりんちゃんと絆を育み、「助けてもらう」という展開はかなり感慨深いものがありました。シリーズもので主人公が己の問題に取り組む話は好きなので、愛着ある主人公であるGVが彼自身のトラブルに立ち向かう鎖環は、ガンヴォルトシリーズのナンバリングタイトルとしてかなり良かったと思います。
 投げっぱなしの伏線や要素の整合性が取れていない部分も散見されましたが、そんなことを言ったらこれまでのタイトルだってツッコミどころはあったのに追いかけてきたので、鎖環くらいだったら許容範囲かなという具合です。出会った人々や起こった出来事が完全になかったことになってるわけではないので。ここに対する感覚は個人差があるでしょうが。
 自分としては、新作のリリースを待っていて良かったと思える作品でした。
 インティ・クリエイツさん、また続編も期待しています!


 noteではルビを自由につけることができることに途中で気づき、光速はやいと記載しなおしました。他にもせっかくだからとそれっぽいルビを付けることができ、大変満足です。

 それではイマージュパルス集めに戻ることにします。


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