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テンの射光

並木を射ぬくハハの陽や
綺羅めく星の散逸を
枝葉の陰りに深うして
穿つた點は閃光のハナタ

小鳥の詩もこだませて
千々に乱れた光線も
一対ガラスをも惹つつけぬいた

――シン、と
――シンと、こごる澱。
哀よりも昏くしずんだ液面を
あぶり
 逆巻き
  カシラを捉え、さかしまに
光りは天へと集帰せる

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