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蝸牛にのった猫

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記事一覧

湯らゆら

湯にひたり白鶺鴒の息をのむ

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3週間前
1

庭のささ鳴き

ささ鳴きがする ――ヒバリだ。 庭木と呼気を交わしあう ――一匹のヒバリ、 ふくんだソウゾウを口にする 「――――――」 胸のふくらみにささ鳴きがコダマしている

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3週間前

灰空

屋根のうえ手触りのある梅雨の空

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4週間前

梅雨のうろう

ハスの葉に銀雲なびく雨だまり

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1か月前
2

ツバクラメ

梅雨空を搔き分けのぼるツバクラメ

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1か月前

梅雨のつき

二重窓かさねて梅雨の月かさむ

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1か月前

雨上がりの阿蘇

雨あがりの阿蘇 田にひく水のいきいき

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1か月前
2

夏のいとま

背表紙の紐を忘れし午睡かな

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1か月前

紫苑の華

つぐむのは姫女苑をや鷽の口

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1か月前
1

コ魂

不自由な腕で すっくりと 盲目なかなたで 立ちつくす。 ことに冷たく、ごとに優しき  硬質なアナタのUNhold  樹皮下を脈うつUNcold 鼓動を静かに 重ね合い ココロの…

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2か月前
1

クオリアの空

ふいに、ただの道行きに ひらけた視界の新鮮さ 旧道木陰のふちの外、 広大無辺な光のもとに 小さき粒を連ねる空と――  のかんかく、と   カチリ。 嵌り込んだ器。が…

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2か月前

春のノラ

たしなめに野良は甘噛み春の夕

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3か月前

春は暮れ

積乱雲あたまをかすむ春の暮れ

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3か月前

枯れ桜

色消して猫はべよれり枯れ桜

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3か月前
3

よこ波

横なぎのウリズンベーや島泳ぎ

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4か月前

飛燕

まくろうと虻の向かふに飛燕かな

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4か月前
湯らゆら

湯らゆら

湯にひたり白鶺鴒の息をのむ

庭のささ鳴き

庭のささ鳴き

ささ鳴きがする
――ヒバリだ。
庭木と呼気を交わしあう
――一匹のヒバリ、
ふくんだソウゾウを口にする
「――――――」
胸のふくらみにささ鳴きがコダマしている

灰空

灰空

屋根のうえ手触りのある梅雨の空

梅雨のうろう

梅雨のうろう

ハスの葉に銀雲なびく雨だまり

梅雨のつき

梅雨のつき

二重窓かさねて梅雨の月かさむ

雨上がりの阿蘇

雨上がりの阿蘇

雨あがりの阿蘇 田にひく水のいきいき

コ魂

コ魂

不自由な腕で すっくりと
盲目なかなたで 立ちつくす。

ことに冷たく、ごとに優しき
 硬質なアナタのUNhold
 樹皮下を脈うつUNcold
鼓動を静かに 重ね合い
ココロの強かを 解きあい
この星の一端ヲ――木霊する

クオリアの空

クオリアの空

ふいに、ただの道行きに
ひらけた視界の新鮮さ

旧道木陰のふちの外、
広大無辺な光のもとに
小さき粒を連ねる空と――
 のかんかく、と
  カチリ。

嵌り込んだ器。がこぼす、自然な
流れるモノの輝きを
――野のユリと
呼ばずにはいられない

春は暮れ

春は暮れ

積乱雲あたまをかすむ春の暮れ

枯れ桜

枯れ桜

色消して猫はべよれり枯れ桜

飛燕

飛燕

まくろうと虻の向かふに飛燕かな