AI画像生成を利用した着色高速化ワークフロー[NovelAI]
こんにちは。NovelAIDiffusionが公開されたことで良い方にも悪い方にも激震が起こっているイラスト界隈ですが、如何お過ごしでしょうか?
私は「強くて便利な武器があるなら使え」主義なのでAIをイラスト製作に取り入れる方法も模索しており、ちょっとした背景や模様生成や、フォトリアル創作方面でAIを活用しています。ですがイラスト創作でのメイン利用となると、やはり「使い辛い」というのが現在の結論です。理由は細部描写の甘さや解像度の低さやレイヤー概念が無いことなど多々ありますが、個人的に大きいと感じるのは「塗りや絵柄が変わってしまう」ことです。長期的な活動を考えると、フォロワーに「お、これはあの人の絵だな?」と絵柄で認知してもらえないとイラストレーターは食いっぱぐれるのです。
なので今回は線画は人間が描いたものを使いつつ、img2imgを利用して「着色作業を爆速化する方法」をご紹介します。「AIが塗ってくれたら良いのになー」というのは最近の流れを見てた絵師なら誰でも考えたことと思いますが、それをやろうという訳ですね。全体の作業難度は普通にイラスト描いてる人向けのものとなりますのでご了承下さい。
まずはAIに読ませるベース画像を作成します。時間をかけて真面目に線画を描いたら、そこに基本的な塗り分けと影つけを行います。線画は真面目に描く必要がありますが、塗りについてはAIに「これは色と影がついている絵だよ」という意図を伝える程度の意味なので、5分くらいで極めて適当に塗って大丈夫です。
ベース画像が出来たらAIに読ませてimg2imgします。今回はNovelAIを使用。img2imgを行う際に重要となるstrength値は、低すぎるとベース画像から変化量が少なく、高すぎると大きくかけ離れてしまうので、ベース画像に応じて丁度良い値を見つけましょう。今回は7~7.5くらい。
おい、これ…、AIの方が上手いんじゃね…?だからそういうことじゃないってさっきも言っただろぉ??今回は人間様が描いた線画をAIに塗らせンだよ!
ご心配なさらずともまだまだ作業工程は全然途中です。良さそうなのが生成されたら、それを自分で描いた線画レイヤーに重ねます。AI生成物そのままですと解像度が低いので、Real-ESRGANなどを使用して高画質化すると良いでしょう。
…当然ですが全く合っていませんね。綺麗に仕上げられたように見えても、アウトラインはAI生成物に置き換わり大きく変化してしまった訳です。これをどうしろと言うのでしょうか?
歪みツールで線画に合わせる!!!
私はphotoshopを使用していますので、画像レイヤーをスマートオブジェクトに変換し、歪みツールを使用して線画に合わせていきます。クリスタ使ってる人が多いと思いますが、画像の形状を変形させる機能であれば別に何でもOKです。最終的な細部修正を前提としているので、所要時間は5分程度の適当作業。
完全に破綻している部分はありますが、取りあえずシルエットはなんとなく一致してきました。ここからはレイヤーをラスタライズし、指先ツールと手塗りで細部を修正していきます。そうです。まず大まかな画像をAIに生成させてから、線画に合うように手作業修正して最終的な作業時間短縮を図るのが今回のワークフローとなります。
40分経過。結構整いました。今回はスカートなので皺を整えるのに手間取ってしまいました。簡単な衣装や裸なら15分程度で良いとこまでいけると思います。顔や前髪はツールで合わせるのが大変ですし、何より個人のテイストが出やすい部分ですので、ここは普段通り手描きするのが良いでしょう。
完成!着色所要時間1時間30分!
以上がAI生成画像を利用した着色高速化ワークフローとなります。1時間30分で塗りは流石に爆速過ぎると思いますクォレ…。ただやっといてアレですが、やはり塗りのテイストが私の普段のイラストから割と変わってしまうのが気になりますね。修正の過程でもっと気を配るか、dreamboothで私の絵柄を教育させた独自モデルに塗りをやらせたらどうなるかとかも今後検証していきたいです。
原稿作業終わって時間できたら試そう!
■補足
今回は白背景の完成画像を想像していたので、ベース画像も白背景にしましたが、暗いシーンを塗らせたい場合は、ベース画像の塗りを暗くするのが良いでしょう。明るいベース画像をプロンプト呪文で修飾するよりは、ベース自体が暗い方が「背景が暗い…。あ、暗いシーンなんすね^^」と理解してくれるので確実性が高いです。
あと今回はNovelAIが得意とする立ちポーズのJKがモチーフなので比較的上手く行きましたけど、AIが理解していないような謎生物がアクロバティックなポーズしてる画像の場合は、strength7の生成だと上手くいかないと思われます。だからと言ってstrengthを下げるとベース画像からあまり変わらない塗りしか生成してくれなくなる訳で。このワークフロー自体何にでも使えるものではないですね。その辺の検証も時間できたらやりたいです。
↓関係無いけど普段AI利用して作ってるフォトリアル作品これ。
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