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忘れられない夏 後編

 彼女の手が私の左乳首辺りをゆっくりと進んでいる。
こんなフェザータッチ、味わった事がない。
どこで覚えたのだろう。
ゆっくりゆっくり進む。

彼女は壁に吊るされた時計を見ていた。

何かあるのかなと私も時計に目を移すと
秒針が30秒を過ぎたあたりに
お姉さん指と小指だけを大きく伸ばした。
開いた指は鎖骨辺りまで伸びた。

まるで速弾きギタリストのようなフレットを飛び越えたポジショニングになっている。
tab譜で言うなら一弦の5・7・8・12・13

女の指は独特なポジション

すると50秒を過ぎたあたりから
指が小刻みに震え始めた。

彼女の口から地響きのような低音が鳴っている。

なんなんだこれは。

すると指が一斉に動き出しヘソを越えたあたりから、私の陰囊に向かって指を動かしている。

まずは親指が陰囊に当たり私は体をうねらせた。
次々と私の陰嚢を中心に弧を描く。
味わったことのない感覚が私をダイナマイトさせる。
私の体の上を5本指が描く繊細かつ大胆な動きが
私の茎を刺激する。

女の手は自由自在

するといつの間にか、女の右手は
私の陰茎を握り、前に押したり引いたりしていた。

まるでレバー的な何かを握ったりしているかのようだった。

女は私の体に書いたブイと呼ばれる丸を何度も周る。3周はしただろうか…
特に陰囊に来る度に絶頂を迎えそうになるが、
女は巧みにレバー捌きで寸止めにし私を操っている。

そこで初めて女は口を開いた。

「ゴールしたい?」

私はゴール=絶頂だと認識している。
それならば答えは、YES GOAL。

私はそれを伝えた。

「イ、イ、イエスゴール…」

すると女は

「まだあなたはビークラス。色々と教えたげる。」

と私を焦らした。

私は思った。

ありがとうございます…と。

すると女は進入と言いながら
私のレバーをおもむろに自分に差しこんだ。
もう、そのときには私はいつの間にかレバーと言ってしまっていた事を覚えている。

「まずこれがピストン。そうピストンリング。機密性を保つの。」
と潤滑に腰を上下に振った。

「そしてこれがキャブレター。立ち上がりが悪い時ね。あなたは大丈夫そうだけど。。」とウネウネした。

「さてここからね。ペラよ。ペラ。あなたに伸び型のペラを授けるわ。」
と口でし始めた。

私は心なしか陰茎の角度が上がった気がした。
チルッと3度くらい上がったと思う。

「スガナオヤカヨ…」

とよくわからない言葉を投げ捨てられた。
不思議と悪い気はしない。

私はこの女に男としての性能を上げられた気がする。
まちがいない。
今までは一瞬一瞬の瞬発系だったが
今ではハッキリ言える。伸び型だと。

それを繰り返すうちに私は先に果ててしまったようだ。

一気に疲れも出て私は寝落ちしていた。

起きた頃には夜を迎えていた。

周りを見渡すと女がピアニッシモを吸いながら
テレビを見ていた。

「起きたのね。どうだったキョウテイは?」

私は最後の方を覚えていなかったが
良かった事だけを覚えている。
そして女に言った。

「あぁ、最高だったよ。ごめんね、自分だけ果ててしまって…次は頑張るよ」

女は笑顔で言った。

「じゃあもう1回キョウテイやる?」

私は即返事で言った。

「あぁ!もちろん!お願いします!」

少し悩んだ顔で女はこう言った。

「次はフライングはしちゃダメよ。」


終わり。



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