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簡秀吉さんが生まれた季節だからもっと秋が好きになった

はじめに

本日10月23日は、簡秀吉さんのお誕生日。
ファンアートやそれに類するものがきっとたくさん投稿されるのだろうなぁと思いつつ、私はほんの少し得意だと自負する文章でお祝いをしようと思います。何度もSNSで投稿してきたことと重複する内容ではあるけれど、今日の佳き日に一旦私の中でもまとめてみようという気持ちになりました。
こちらは詳細なレポートでも、冷静な分析でも、深い考察でもありません。ここにあるのは、ちっぽけなファンの大きな愛と祈りの文、そして推し自慢。それだけです。

◇仕事に真摯な切り替え上手

私が簡秀吉さんを、「推し」……というか、好きだ、と強く感じたのは、「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」公開にあたってのインタビュー記事を立て続けに読んだときだったと思う。それまでも彼のことはかっこいいなぁと思っていたけれど、それは演じていた「仮面ライダーギーツ」浮世英寿の魅力に付随するものだったように記憶している。

最初から強くて、カリスマ性があり、天才で、自分に自信があって、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ。どこか孤独も抱えている寂しくて儚い姿にも惹かれた。
「仮面ライダーキバ」の紅音也や「仮面ライダーディケイド」の門矢士、「仮面ライダーウィザード」の操真晴人も好きな私は、その系譜に連なりそうな新しいヒーローが出てきたのだと思った。そしてなにより実は、最初の最初、私は中田裕士さんが演じる変身後の仮面ライダーギーツの色っぽい戦い方に一目惚れしたのだ。私は最初、浮世英寿というキャラクター、そしてギーツという美しいライダースーツと身のこなしが好きだった。
そう思っていた私が、簡秀吉さんという俳優自身に目を向けたのは、以下に挙げるような、「仮面ライダーリバイス」五十嵐一輝役を演じた、前田拳太郎さんとのインタビューであった。

プライベートでは「けんちゃん」/「かんきち」と呼び合う仲にもかかわらず、映画の撮影に入った途端に簡秀吉さんが「前田さん、よろしくお願いします」と挨拶なさった、というエピソード。これを目にしたとき、はっと目の開かれるような思いがした。この人は、19、20歳の時点でもう既に「プロ」なんだと思った。
また、物語が佳境にさしかかるころのこちらのインタビューでも、簡秀吉さんご自身がレギュラーキャストへの接し方について以下の動画のように答えている。

プライベートでは仲の良い友人であるレギュラーキャストに対して、仕事の上では「友達じゃないので」「共演者の仲間なので」と言い切る姿が、私にはとても眩しく見える。年の近い、実際にも仲の良い人たちの集まる現場で、「仕事だから」と自分の気持ちを切り替えることはなかなかできることではないと思う。仲のいい人と仕事をすると、つい甘えてしまったり、仲が良いから逆に指摘できなかったりすることも、私は実体験としてあるなぁ、と感じている。だからこそ、自分の納得のいくお芝居のために、仕事の上では「仲間でありライバル」であって「友達じゃない」と言い切り、実際に自分の気持ちを切り替えて現場に入っている簡秀吉さんは本当に大人だなぁと思うし、プロ意識の高い俳優さんだと感じるのだ。
簡秀吉さんがこうした高い意識、またそういう意識でいようとする真摯な姿勢でお仕事に取り組まれていたからこそ、「ギーツ」浮世英寿の自信や誇りの表れた説得力のあるお芝居を見ることができたのだと思う。

もう一つだけ、また少し違う切り口で彼の仕事への姿勢、切り替えみたいなものを感じたことがある。それは1st写真集『IKKAN』発売を記念したインスタライブでのことだった。特撮出身といわれる方の配信ではよくあることだけれど、やっぱり「ギーツ」に関するコメントが多い中、それらよりも写真集自体、簡秀吉さん自身に関するコメントや質問を多く拾いつつ、「写真集のこと聞いてほしいなぁ」と雰囲気を壊すことなくやわらかく伝えていた。それだけ目の前のお仕事にまっすぐで、誇りを持っていて、ほんとうに伝えたいことを伝えようとされている姿勢に驚くばかりだった。求められていることだけじゃなく、今この場でふさわしいことをしようとする人。素敵な大人だなぁ、こういうふうになれたらなぁと思ったことを覚えている。
お仕事ひとつひとつにまっすぐ向き合いぶつかっていく、私はそんな簡秀吉さんが大好きだし、ひとりの大人として、とても尊敬している。

◇目標にまっすぐな努力家

簡秀吉さんという一人の俳優に対して雷に打たれたあと、私は今まで「よっぽどのことがないと買わない」としていた雑誌をすすんで買うようになった。簡秀吉さんの答えているインタビューが、ネット上で読めるものだけでも素晴らしいものばかりで、「もっと読みたい」「ずっと手元に置いておきたい」と感じたからだった。そうしていくつか買い集めていたり、引き続きネットで公開されている記事を読んでいると、簡秀吉さんはいつも、自らの掲げる大きな目標、それに辿り着こうという向上心、そしてそのための努力についてお話されている。

下に挙げる『S Cawaii!』では、「大河ドラマに出たい」という目標を掲げていた。時間が空けば映画を観たり、ドラマを観たりされていて、お芝居につながる自分磨きを怠らないストイックさが垣間見える。お仕事について向上心をもってお話するまっすぐきらきらとした瞳がインタビュアーさんに褒められているところ、「でっかい犬みたい」と言われているらしいところ、純粋無垢な人なのだなあと嬉しくなる。(あとこちらはお写真もやさしく淡いグリーンのお洋服が大変お似合いになるなぁと思いましたのでこちらのムック、大変おすすめです。20ページの特集……!)

また、以下のwithさんの記事では、小見出しにあるように「アカデミー賞をもらえる俳優になりたい」と話す姿はほんとうにかっこいいなぁと思う。「ただ毎日を過ごすよりも、一日一日を自分の成長につなげていきたい」と語るところからは、日々の積み重ねを大切にする誠実な人間性が伺える。意思の強くこもった瞳が、モードでうつくしいお化粧と合っているこちらの記事も、私はずっと大好きで大切に思っている。

先の章でも挙げたシネマトゥデイさんの動画の中で、「ギーツ」の27話と28話──戦国ゲーム編の殺陣シーンについてお話されていた。練習される中で自ら実力不足を感じて中田裕士さんに太刀を借り、お家で一人で練習して「なんとか乗り切れた」と話されている。その自主練習の結果が、あの魅せ方の美しくかっこいい殺陣を披露されたOAであり、TTFCオーディオコメンタリーの坂本浩一監督のお褒めの言葉に表れている。自らの反省をバネにして、素晴らしい結果として現れるほどの練習量をこなした、その根気とお芝居に対する貪欲な姿勢に、私は憧れてばかりいる。
「大河に出たい」、「アカデミー賞をもらえる俳優になりたい」。そして最近、「ぽかぽか」というバラエティ番組に出演された際には、簡秀吉さんのことをあまり知らない方も多い中で「月9に出たい」ともお話されていた。彼の掲げた目標はどれも大きなものばかりだけれど、彼はその野心に追いつくだけの果てしない努力を積み重ねられる人なのだ。

◇きれいな瞳の表現力

唐突だけれど、私は目元だけではっとさせられるような演技をする俳優さんが好きだ。ふと目を細めたり、目を伏せたり、目線を工夫して瞳に入る光を変えたり、ぎゅっと目をつぶったり、片方の眉だけを動かしたり……そうやって、語らないまでも感情が手にとるように伝わる俳優さんが、説得力のある素晴らしい俳優さんだと思っている。
簡秀吉さんにそれを最も強く感じたのは、彼自身も一番好きなエピソードである「ギーツ」38話だった。浮世英寿の母親であるミツメとの対話のシーンでは、瞳が揺れたり潤んだり、幼さの残る目つきだった。しかしミツメの消滅後、顔を上げた瞬間の瞳はぐらりと燃え上がるような、全くブレずに射抜くような覚悟の決まったものだった。最強フォーム・ギーツⅨのお披露目回でもあったけれど、変身するときの瞳はほんとうに、畏怖を感じさせるような、そんな熱を感じた。他にも46話のラスト、鎖に繋がれた白髪の英寿が石化する自分の手を見るところも、台詞のない一瞬の映像ながら恐怖や孤独が伝わってくるような瞳で、思わず胸がつぶれるような余韻が残ったことを覚えている。
台詞がなくても感情が伝えられる、それほどまでの領域に一年間で達したのも、「いける」と思われてそうした脚本を渡されている(これは想像だけれど)のも、ほんとうにすごい、という言葉しか出てこない。

簡秀吉さんの表現力は、映像だけにとどまらない。先に触れた『IKKAN』は、彼の素に近いのであろう年相応の可愛らしい表情から、きりっとした色気のあるお写真、またファンの間で衝撃の走った「裸一貫」の覚悟のあるお写真まで、さまざまな簡秀吉さんのお写真が纏められていた。
わたしは中でも、最近写真集公式のInstagramにも載せてくださったこのページのお写真をいっとう愛している。

(……どうして載せてくださったのだろうか。紹介しやすくなってとても嬉しいです)
まっすぐにこちらを射抜く瞳にはじまる、凛としたお顔立ち。片方を鮮烈な赤い椿で隠した、うつくしい絵画のようなお写真。施されているであろうお化粧も落ち着いた赤系統でまとめられて、明るい色使いなのにじっとこちらを見据える瞳にはダークな印象もある、そんな複雑な色気を帯びたお写真である。
カメラにどう写っているのか、目線は、表情は、背景の雰囲気はどうか、などすべて考えて、ふさわしい作品をつくり上げようとされているのが、一枚の写真からでもわかる。ふと撮られた素に近いお写真も素敵だけれど、私が心惹かれてしまうのは、表現者の世界観に酔いしれるような、そんなお写真なのだった。
そんな写真集を求めてイベントに伺うと、天真爛漫、愛嬌全開で迎えてくださるのだから、こちらはもう、彼の魅力に落ちるところまで落ちるしかないのである。

◇溢れ出す愛嬌とやさしい言葉たち
──#ギーツFS 感想を添えて

簡秀吉さんのことを誰かが表すとき、よく出てくる言葉の一つに「天然」がある。私が例を挙げるまでもなく、きっとこれを読もうとしてくださった方ならなんとなく知っているだろうし、彼の名前を入れてSNSで検索すればいくらでも「天然」エピソードを並べたものが出てくると思う。私も、とっても優しい前田拳太郎さんが「ぽんこつ……」と評するほどの簡秀吉さんの、そういった一面も愛くるしいなと思っている(以下Twitterリンク参照)。

けれども! ……けれども、私個人としては、簡秀吉さんの魅力を語るときにその一面「ばかり」にスポットを当てる一部の特撮ファンの風潮には、かなり違和感がある。たしかに彼の放つ言葉はキャッチーだし、一見立ち止まってみないと読み解けないような、彼にしかない文脈もある。けれど私は、その文脈だったり、彼が選ぶ言葉のすべてが瑞々しくてうつくしいものだと感じている。

名古屋公演 16:30回


「仮面ライダーギーツ ファイナルステージ」では、生の舞台ということもあり、簡秀吉さんご自身のすてきな言葉をたくさん聴くことができた。私自身はこちらの名古屋公演にはお伺いできなかったのだが、大阪の余韻に浸りながら感想を検索している中で、この投稿が目に飛び込んできた。

最後の挨拶で、「もうみんなとも最後で……」みたいな話をしたあとに春にVシネクストがあるってことに気づいて「また会えるじゃん!なんだ〜びっくりしちゃった!」って元気に手を振る簡秀吉くんが本当に可愛かった #ギーツFS

ろくごう様の投稿より、下の投稿のリンクも同様


(こちら掲載許可いただきました。ほんとうにありがとうございます!)
こちらの投稿を受けて、私も「簡秀吉さんは感情の動きをそのまま言葉にしてくれるところもキュートだなあと思う」と投稿した。見たこと、聴いたこと、感じたこと、話したいこと、彼の中できらきらと輝くものをそのまま私たちに伝えようとしてくださる簡秀吉さんは、ほんとうに純粋できれいな心を持っている人だなあと思った。Vシネがあるから「また会える」、そういった言葉をつかってくださるのも、作品や人に対してほんとうに愛を持ってずっと向き合ってこられた証だなぁと心があたたかくなる。どこまでも優しくて、嘘がない彼の言葉のことを、私は宝物のように思っている。

東京DAY2 13:30回


東京DAY2公演の13:30回では、作中の敵であったケケラについてどう思うかを尋ねられた簡秀吉さんの回答も素敵だなぁと思う。簡単にまとめると、「中心的な人や自分が楽しければそれでいいという人はどこにでもいるから、嫌われ者かもしれないけれど、特別に悪い人ではないと思っている」というお話をされていた。
私はこれを聞いて心の底から、簡秀吉さんが浮世英寿を演じてくださってよかったなぁ、と思った。浮世英寿が目指した「誰もが幸せになれる世界」は、ケケラやベロバのような人も幸せになるべき世界だろう。そんな世界を創ろうとした人を演じた簡秀吉さんが、作中の敵をただ単純に悪として断じてしまわず、現実世界にもいるんじゃないか? と角度を変えた視点で考えることのできる人なのがわかる場面だった。
また、同じ回の最後のご挨拶も、お人柄が出ていて印象的である。童話「うさぎとかめ」の例を出し、「諦めなければ夢は叶う」「小さい頃見ていた仮面ライダーに自分もなりたい、という夢がこうして叶った」と、小さい子どものファンにもわかりやすい言葉で伝えてくれる簡秀吉さんの姿は、紛れもなくヒーローだった。
簡秀吉さんの浮世英寿を見て「仮面ライダーになりたい」と思った子どもたちは、きっと日本中にたくさんいる。そんな中、簡秀吉さん自身が「ギーツ」の一番のメッセージ「諦めなければ、願い続ける限り夢は叶う」を体現しているのだ。子どもたちにとって、こんなに大きな希望はないだろうなぁと思う。

東京DAY2 17:00回


千秋楽公演、彼がキャスト陣に宛てた手紙の最後のあたりに、このような一文がある。

「最初から強くもないし、カリスマでもない、天才でもない僕は、ちゃんと努力して、僕がスターになっている世界をつくるために、これからもっと頑張っていきます」

仮面ライダーギーツ ファイナルステージ 東京DAY2 簡秀吉さんのレギュラーキャストへのお手紙より

私はこの、浮世英寿の特徴をすべて裏返しにしたようなこの一文を会場で聞いて、既に目の縁に溜まっていた涙が流れ落ちたのを感じた。
彼はほんとうに誠実な人だ、と思った。ファンや「仲間」に対しても、「浮世英寿」というキャラクターに対しても、そして、ご自身に対しても。この宣言のような一文は、応援してきたファンや切磋琢磨してきたキャスト、そして彼が一番に愛し、憧れてきた浮世英寿というキャラクターに向けられているのと同時に、簡秀吉さん自身が自分との約束として存在するのだと感じた。
浮世英寿は一夜にしてスター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズになったけれど、簡秀吉さんは、彼自身が毎日積み重ねる努力をもって、一歩一歩、スターへの階段を登っていくのだ。わたしたちはその軌跡を、これからもずっと追うことができるのだ。
この公演で彼に贈られた崎山つばささんからのメッセージにもあったように、簡秀吉さんはこの一年、歴史あるシリーズ作品やオーディションで落ちた人たちの分の重み、難しい役柄、「座長」としての責任を、たった19-20歳で、ひとりで背負わなければならなかった。最後の挨拶でも、うまくいかずにテイクを重ね、「本番」の声がトラウマになったこともあったと涙を流して語っていた。
俳優である前に一人の人間である彼が、こんなに大きな荷物を抱えているのにもかかわらず、現場に入るときや帰るときに必ずひとりひとりに明るく元気に挨拶をして回ったり、キャストのお誕生日にはお休みであってもパーティーサングラスをつけて駆けつけたり、「座長」としてありつづけよう、いい雰囲気づくりをしようとなさっていたのだ。「天然」だけじゃおさまらない、たぐいまれなる愛嬌は、すべて彼のたくさんの努力によってうまれている。可愛らしいエピソードのひとつひとつが、彼の思いやりと優しさと、それに惹かれた仲間たちの愛でできている。

おわりに

簡秀吉さんに出会ってから、私は前向きになれた。今年の春で社会人になったものの器用に過ごせてはいないし、たくさんの人から好かれる人間ではない。でも、こつこつ真面目に頑張ることはこの人生でずっと続けてきた。積み重ねの努力で夢を叶えた簡秀吉さんを応援していたことで、そうした生き方をしてきた私自身すら少しだけ愛せるような気がした。人と比べて、うまくやれない自分に悲観的になる夜も減った。私は私で少しずつでも前に進んでいるんだと認められるようになったし、目標を決めることやそれに向かって頑張ることの勇気ももらったような気がする。春の木漏れ日のようなあたたかい彼の人柄や、お仕事へのまっすぐな向上心が、私をやさしく救ってくれた。滑稽かもしれないけれど、たしかに私は、簡秀吉さんに出会う前よりもずっとずっと幸せだ。

簡秀吉さん、21歳のお誕生日おめでとうございます。
誰よりもあたたかくて優しいあなたが、いつまでもたくさんの愛に囲まれていますように。かなしいこと、つらいことからなるべく遠い場所にいられますように。すこやかに幸せに過ごされる、素敵な一年になりますように。
これからもずっと、心より応援しております。

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