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読書びより

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2021年6月の記事一覧

「人間各々の価値は、その人が熱心に追い求める対象の価値に等しい」     ---マルクス・アウレリウス          『自省録』第7巻の三--- 第16代ローマ皇帝 マルクス・アウレリウス様  ありがとうございます  あなたのことばを  日々のはげみと  させていただきます

「身(み)死して財(たから)残ることは……」徒然草にみる『断捨離』

遺産を巡って家族がいさかいを起こすのはよくあること。 「『我こそ得め』などと言ふ者どもありて、跡(あと)に争いたる、様あし」 と徒然草にあります。(第百四十段) 今も昔も「自分にはもらう権利がある」などと主張する者が現れる。 そこで法師は 「生けらむうちにぞ譲るべき」 (生前に譲渡しておく)のがよいと記しています。 現代、生前贈与には法的な限界もあるようですが。 では、どうすればよいのか。 「朝夕なくてかなはざらむ物こそあらめ、その外(ほか)は何も持たでぞあ

橋本幸士著『物理学者のすごい思考法』

科学者のエッセイとしては、古くは寺田寅彦の随筆が名高いですね。 現代版寺田寅彦といっていいのかわかりませんが、橋本幸士さんの本をよみました。 橋本さんは物理学の最先端『超ひも理論』(超弦理論)の研究者です。 この理論については、数年前に別の著者で読んで驚いた記憶があります。(大栗博司著『大栗先生の 超弦理論入門』) ---以下、記憶違いや素人由来の誤りがあるかもしれません。確かなことはお調べください--- さて、その理論とは…… ・相対性理論と量子力学とに矛盾せず

へレーン・ハンフ編著『チャリング・クロス街84番地』

本を売る人と買う人 アメリカとイギリス 太平洋を挟んだ友情の軌跡  ロンドンのチャリング・クロス街にある書店「マークス社」。 ここは、絶版本を専門に扱う書店です。 古書好きでニューヨーク在住の自称「貧乏作家」へレーン・ハンフという女性脚本家がおりました。 このへレーン・ハンフがある日新聞広告でマークス社のことを知って以来20年にわたり本の購入とともに手紙を交わしました。主にマークス社のフランク・ドエル氏と。 その書簡集が本書『チャリング・クロス街84番地』の由来です