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読書びより

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2020年5月の記事一覧

方丈記とモーツァルト

きょうは、何を書きましょうか。 以前、法事で親族が集まったときの話です。 もう60歳に手が届くのですが、彼は『方丈記』に傾倒していて、過去に、二百回以上読んで、まだこれからも読むというのです。 方丈記は学校でも習った鴨長明(かものちょうめい)の随筆、エッセイですが読むぼどに面白いというわけです。 わたしも、方丈記は好きです。 「ゆく川の流れは絶へずして、しかももとの水にあらず 「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、ひさしくとどまりたるためしなし 「世に住む人

世に定めなきものは……

きょうは、何を書きましょうか。 古典文学の好きな一節の話です。 「千年・万年とちぎれども、やがてはなるる中もあり。あからさまとは思へども、ながらへ果つることもあり。世に定めなきものは男女のならひなり」 平家物語の「祇王」(ぎおう)の一節です。 意味は、永遠の愛と誓っても、やがて(すぐに)離れるケースもあれば、反対に、あからさま(そのとき限り)のはずが長く命の果てまで続くケースもある。 男女の縁の不思議さを伝えています。祇王は、白拍子(しらびょうし)

アランの法則〈幸福のひけつ〉

人間、時々イライラしたり。不安になったりするものです。 アランはこのように言っています。 「幸福の秘訣のひとつは、自分自身の不機嫌に対して無関心でいることなのである。 最初にこの文章を読んだとき、あぁとひざを叩きました。得をしたというよりは「徳を得た」と思いました。 アランは続けます。 「相手にしないでいれば、不機嫌などというものは、犬が犬小屋に帰って行くように…… ここでちょっと寄り道しますが、犬小屋という言葉には、違和感を覚える方もいらっしゃ

ドストエフスキーの『虐げられた人々』について

ど、ど、ど、ドストエフスキー す、す、す、好きと言いたい し、し、し、『虐げられた … ひ、ひ、ひ、…人々』 そ、そ、そ、それは、二十歳のころ は、は、は、初めての ど、ど、ど、ドストエフスキー な、な、な、泣きながら読んだ お、お、お、思い出の小説 い、い、い、いま も、も、も、もう一度読んだら ど、ど、ど、どう思うだろう ま、ま、ま、また な、な、な、ナターシャに! な、な、な、涙するだろうか?