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春に消えた欠片

静かにじわじわと焦げる匂いがする。
私の手からこぼれ落ちてく。

突然現れた人は突然いなくなる。
ほんとにそうだと思う。

印象は笑顔。優しくて面白い。
それは誰にでもそうであって。
私だけに注がれたものではないと分かっていながら。
夢を見ていたのかもしれない。そう思い込まなければ自我が保てない程の熱を帯びてる。

後悔とかではないし起きてしまったことはもうどうにもならない。

じわじわと殺されている。じわじわと溶かされて。
もう要らないよ。って言われた方がまだ楽だった気がする。

春。また私は繰り返す。
じりじりと私は食い尽くされていく。
消えてしまいたい。

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