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ゲオルギ・シャシコフさんへ10の質問

アッセンブリッジ・ナゴヤの音声配信企画、「名フィルメンバーの対話で綴る2020ー演奏会空白のときー」にむけて、名古屋フィルハーモニー交響楽団のゲオルギ・シャシコフさんへ、アッセンブリッジ・ナゴヤから、インタビュー前に10の質問をし、それぞれに記入していただきました。

その質問シートをこちらの記事で日本語訳とともに公開いたします。

▼当日のインタビューや演奏の様子はこちらから▼


ー自粛期間中、毎日のようにしていたことや、やろうと決めていたことはありますか?
もしくは、新しく始めた趣味などあれば、教えてください。
Was there anything you did everyday or something you set as your daily routine during the “lockdown”? Or perhaps a new hobby you found?

We walked everyday with the whole family for one hour every morning.(毎朝、家族みんなで1時間散歩をしていました。)

ー日常生活の中で美を感じる瞬間や、もの、ことなどあれば教えてください。
When in your daily life do you find beauty? What inspires you in your everyday moments?

The fact that a new day begins already inspires me. The first light of the sun, the innocent purity of the morning air and of course - music- after I go on the terrace I immediately switch on the radio. I cannot live without music.
(新しい一日が始まるということが私を鼓舞します。太陽の光や、朝のすがすがしい空気、そしてもちろん音楽。テラスに出ると、すぐにラジオをつけます。音楽なしには生きていけません。)

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ー自粛期間中、よく聴いていた音楽や、読んだ本、オンラインのコンテンツで観たものなどで、印象に残るものがあれば教えてください。
Please list any memorable music, books or online contents you watched during the lockdown.

The lockdown had a really dark effect on me. I feel very depressed and hopeless, so I tried to counteract this effect and started to watch comedies. One of my favorites is “Modern Family”, and a book by Terry Pratchett “The Free Folk”.
(ロックダウンは私に暗い影響を与えました。意気消沈してしまい、希望が持てませんでした。そこでこれに打ち勝つため、コメディを見るようにしました。私が好きな作品の一つが「モダン・ファミリー」とテリー・プラチェットの著書の「The Free Folk」です。)

ー海外との繋がりがある方も多いかと思いますが、同じ演奏家で海外居住の方(オーケストラなど団体も含む)の活動を見聞きされたりして、印象に残っていることがあれば教えてください。 
Many of you have international connections. Were there any activities of your international peers or orchestras you found impressive or were inspired during the lockdown?

Many of my friends did a sync recording through Zoom and I thought that it is amazing, because I am not good with technology.
(私の友人の多くが、Zoomを活用した収録を行っていて、私はこうした技術に疎いので、すごいことだなと思いました。)

ーオンラインの活用等「新しい発表の形態」がニューノーマルとして動き出していますが、自粛期間中に、何か新しい音楽活動で個人的にやってみたこと(ご自身で、あるいはご友人らと協働で)、今後やってみたいことはありますか? 
New styles and formats of concerts and music expressions are vigorously explored under the “new normal”, making the most of the internet sphere and online tools for example. Have you tried anything new during the lockdown to keep on playing, or do you plan to experiment something, either personally or with peers?

After my friends inspired me with their Zoom recordings, I gave myself a lot of effort and recorded two solo pieces and as a background I put a slideshow of world’s famous painting – after that my battle with technology was over.(the pieces are in YouYube.)
(私の友人がZoomでの収録を行っているのに刺激されて、私自身も大変に努力をして、2つのソロ曲を収録し、その背景画として世界的に有名な絵画のスライドショーを配置しました。
私のテクノロジーとの闘いは、この完成を持って終了しました(作品はYouTubeで見ることが出来ます))


ー自粛期間中、自宅等での練習のみに限定されざるを得ず、ホール等大きな空間での演奏ができない期間が長くなったことで、身体的・内面的な感覚の変化はありましたか?あった場合はどんなことでしょうか。 
During the lockdown, you could not play in the concert halls for a long time and could only practice at home or small private spaces. Has this affected you physically and/or mentally? If so, what were the changes you experienced? 

It is the most sad thing for a musician to not be able to play concerts in a concert hall- motivations is close to zero. I was really on a verge of real depression. A musician is always mostly inspired by the audience.
音楽家にとって最も悲しいことは、コンサートホールで公演が出来ないことです。モチベーションも限りなくゼロになりました。私は本当に失意のどん底にいました。音楽家はいつも観客から多くの激励を与えてもらっています。)

ー長い自粛期間が明け、演奏会が再開したとき、どのようなお気持ち(感覚)でしたか?もしくは、何かこれまでと音楽やコンサートに対して違う考えになった等、気持ちの変化はありましたか? 
How did you feel / what was your sentiment on your first post-lockdown stage? Did the lockdown period and experience affect your feelings and thoughts towards music and concerts?

I was super excited to play a real concert again. I feel again as I am at high school.
(私はまた生のコンサートが出来ることに本当に興奮しました。
(長い休み明けに)また高校に行くような、そんなドキドキ感を持ちました。)

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ーアート同様、音楽も「不要不急」といわれましたが、そう言われることについて、どう思いましたか?
Music was, just as art, classified as “non-urgent, non-essential” activity during the lockdown. What were your thoughts on that?

Maybe there are some people who can live without music, but I cannot… I let say if the economy is the heart of the society, the music is the soul, or may be if the society was a body, the music is an essential vitamin without which the body can not survive.
(音楽なしに生きていける人もいるかもしれませんが、私には無理です。
私は経済が社会の心臓であるならば、音楽は魂。
あるいは社会が身体ならば、音楽は大切なビタミンであると思います。
身体もビタミンなしには生きていくことはできません。)

ーこちらもまたアート同様、「敷居が高い」と言われがちなクラシック音楽ですが、そのように感じる方への、音楽との距離の縮め方、また楽しみ方などアドバイスがあれば教えてください。
Again, just as visual art, classical music is often considered as  “high-art” which is difficult to approach. What is your prescription for those who feel intimidated in such a way to come closer to the world of  music?
 
I think one of the reasons music was invented, was to connect one heart direct to another without saying words- to be able to tell somebody something which you cannot say with words and in this meaning it is for everybody. Sometimes people are telling me- I don’t understand this music… I am telling then- you don’t need to understand it- you like it or you don’t.
(音楽が発明された理由の一つは、言葉なしに人と人の心をつなぐためだと思います。音楽によって、言葉で表現できない何かを他者に伝えることが出来る。それはすべての人にとって価値のあることです。「音楽は分からない」という人もいますが、私は「音楽が分からなくても良いですよ。好きか、そうでないかです」と私は言いたい。)


ー音楽の持つ力にはどのようなものがあるとお考えか、お聞かせください。
What would you say is the power of music?
 
It is the same what I mentioned above. It is to say things direct to the heart without words…..it is not by accident that in every shop is always playing music- apparently it has the power to make you buy things.☺️☺️
(既に答えていますが、音楽は言葉なしに心に直接語りかけるものです。どのお店でも音楽が流れていますが、それは偶然のことではなく、お客さんに商品を購買させる力があるようです。☺️☺️)


\シャシコフさんの「ブルガリアのムサカ」レシピ大公開!/

挽き肉500g
•1kgのジャガイモ
•タマネギ1個
•1〜2個トマトまたは数杯トマトペースト
•1tsp。パプリカ
•1 / 2tsp。クミン
•1 / 2tsp。サボリ(savory)(タイムで代用できます)
•塩
• コショウ
トッピングの場合:
•2個卵
•200gのヨーグルト
• 大さじ2杯。小麦粉
•ベーキングソーダひとつまみ
• パセリ

1) タマネギを細かく刻み、3〜4tbspの油で炒めます。挽肉を加え、パラパラするまで炒めます。塩コショウ、スパイスで味付けし、すりおろしたトマトを加え、5〜6分加熱します。

2) 1)を一度取り出した鍋で、皮をむいてサイコロに切ったじゃがいもを軽く炒めたあと、みじん切りにした肉を上に置き、よく混ぜ、ひたひたまでお温水を注いで200℃に予熱したオーブンで30分間焼きます。

 3) 小麦粉、卵、ヨーグルト、ベーキングソーダ、細かく刻んだパセリをよく混ぜます。混ぜたものを2)の上に置いて、色付くまで10~15分間オーブンで再加熱します。ヨーグルトを添えてください。


Fg+ゲオルギ・シャシコフ

GUEORGUI CHACHIKOV

1978年ブルガリア生まれ。1998年よりワイマール国立音楽大学でゲオルグ・クルッチ氏に師事。その後ケルン音楽大学に移籍。2005年ディプロマを、2007年にドイツ国家演奏家資格を取得。

これまでにバンベルク響、マレーシア・フィル、マーラー室内管に客演。1998年より“PHILHARMONIE DER NATIONEN”首席奏者として活躍する。2002-04年クラシック・フィルハーモニー・ボン首席奏者、2004-06年ケルン室内管首席奏者。2006年名フィルに入団し、現在は首席奏者を務める。2008年NHK-FM「名曲リサイタル」に出演。ソリストとして名フィルのほか、セントラル愛知響と共演。

2007年、第24回日本管打楽器コンクール第4位入賞。バイロイト国際コンクール木管部門“PACEM IN TRRIS 2001”ファイナリスト。2006年“Paul und Helga Hohnen”コンクール入賞。2008年宝塚ベガ音楽コンクール入賞。




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