二流国へと向かうロシア

ロシアのウクライナ侵攻が失敗したみたいですね。これを機にロシアは衰退し、一流国へと返り咲くことは不可能となります。

ロシアの外交における最大の武器は石油と天然ガス

ロシアは、EUのガソリンスタンドという側面があり、天然ガスの約半分をロシアからの輸入に頼っています。また、石油の輸出も盛んであり、EUで消費される石油の最大の調達先はロシアです。そのため、エネルギーの輸出を止めるという外交カードが存在します。それこそがロシアの強さの本質なのです。日本も、かつて、アメリカから石油を止められて太平洋戦争を始めました。エネルギー不足の影響は、経済や生活など、多岐にわたって深刻な悪影響をもたらします。

ロシアの崩壊とともに崩壊する主な属国

1,シリア

アサド大統領

シリアは現在、ロシアの介入によって、アサド政権が内戦の勝利を確実なものとしていますが、ロシアが崩壊すれば、この政権も持たないでしょう。シリア内戦に関しては、様々な勢力の思惑が錯綜し、想定外の事態が複数発生していますが、内戦の原因の一つに、2000年代以降、油田やガス田が発見されて、エネルギー輸出国となったイスラエルと、そのエネルギーを利用したいトルコとEUの意向もあるのは確実です。アサド政権が崩壊し、民主的な政府が樹立されれば、イスラエルとトルコがパイプラインでつながり、天然ガスや石油の、ロシアへの依存度は大きく減らせます。これにより、エネルギーを悪用した恫喝が不可能となり、いざというときには、ロシアのエネルギー輸出を止めて、ロシアを簡単に破滅へと追い込むことも可能となります。

2,ジョージア国内の自称共和国

国内に、ロシアの属国である、アブハジアと南オセチアという自称共和国が2つ存在しています。そのため、ロシアはいつでも軍事介入することが可能となっていましたが、ロシアが崩壊すれば、この2つの自称共和国も崩壊するでしょう。

BTCパイプライン(緑)とバクー・スプサパイプライン(赤)

ジョージアは、世界最大規模の石油や天然ガスの埋蔵量を誇るカスピ海から、黒海やトルコをつなぐ非常に重要な通り道となっており、BTCパイプラインとバクー・スプサパイプラインというパイプラインが2つ通っています。そのため、ここからロシア系勢力が排除されれば、カスピ海からEUへのエネルギー供給を妨げることができなくなります。

3,チェチェン共和国

カディロフ首長

チェチェンは現在、ロシアに忠誠を誓うカディロフ首長が、事実上の自治権を確保してカディロフツィと呼ばれる軍隊を保持、独裁政権を敷いています。岩手県や四国とほぼ同じ面積のこの国は、石油産業しかまともな産業が存在しません。地図を見ればわかりますが、独立して、ジョージアにパイプラインを引けば、経済的にもロシアから独立できます。恐怖と腐敗にまみれたカディロフ体制を倒して独立すれば、急速に豊かになれる可能性のある地域です。

エネルギーや鉱物資源、農作物しか輸出するものがない脆弱な工業力

ロシアは、現在、自動車や家電などの工業製品、半導体などの部品などにおいて、国際競争力はなく、輸入に依存しています。そして、輸出の7割を石油と天然ガスなどのエネルギー資源に依存しています。また、武器も輸出していますが、武器輸出は政治的な理由も大きく、影響力が下がれば売れなくなるでしょう。そのため、EUがエネルギー調達先を多角化させ、ロシア依存から脱却すれば、ロシアは見向きもされない国となるでしょう。

独裁政権末期と化しているプーチン政権

ウクライナ侵攻までの経緯などは、情報が錯綜していますが、政権や軍部で正確な情報を共有していない、組織が恐怖で支配されていて、プーチン大統領に意見したり、正確な情報が伝えることができないといった話が出てきています。明らかに独裁政権の末期であり、大きな混乱が生じて政権が崩壊する可能性が出てきています。この一連の混乱と経済崩壊が原因で、ロシア国内は大惨事となり、経済も壊滅的な打撃を受ける可能性もあります。

おわりに

ロシア、これから急速に衰退する可能性がありますね。第一次大戦中にロシア革命がおこり、国内は大混乱となりましたが、再びそのような事態が生じる可能性もあります。これからも注視していきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?