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雨は、これが続いたらどうなってしまうのだろう、というくらいに強まるとすぐに小雨に戻り、傘をささないと苛々するギリギリのラインに安定し、そして決して止むことがなかった。
風の温度にムラがあって、5時間待機するだけの時間があり、その間ちょうど良い気温のところを探す。ラウンジにはなぜか冷房がついていて、余計だった。

ムラというと、regaloというイタリア料理の店がやっているYoutubeのチャンネルがあって、その最初のセリフが「イタリア料理はムラの美学」というのだった。
山形が誇るイタリアンシェフ奥村のモットーは逆に、イタリア料理は食べた時に全部の食材の味がいっぺんにするのが大事、と言っている。ショートパスタを、全ての具材が溶け込んだスープに絡めて、一度に同じ味をさせる。

regaloの動画で好きなのが、パスタのメーカーを紹介する動画で、そこではパスタを成形する機械、テフロンダイスとブロンズダイスとがあるが、ブロンズダイスはパスタを押し出す筒の中が粗面になっていて、それで表面がざらつく。抵抗があるので、テフロンダイスと違って、筒がダメになるのが早くて、部品の交換が多いらしい。この部品によって、茹で時間にムラができ、最適な柔らかさが常に変わるらしい。
regaloのオーナーシェフは、パスタを食べているときに、ずっと同じアルデンテの具合が続くと飽きるという。パスタはなんで美味いのかっていうと、伸びるから美味いらしい。途中で火が入っていって、違う具合のアルデンテになる、そういうムラがパスタの美味しさだという。

僕は自炊する時、あまり混ぜないで作るのは、この動画に影響を受けたからだ。

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