5/26

何もいいことが起きず、地震が起こる。
まだ明るい。
彼女に会いに日本橋へ行く。
電車のダイヤが地震で乱れていて、間隔調整のため、スピードを下げて運行している。
いつもは通り過ぎるだけの踏切の音と赤が、しつこく粘る。

茅場町まで、大きな道路を何本か越えて歩く。彼女と合流して、定食屋まで向かう。
茅場町は、老舗か、捻りを加えた焼き鳥屋が多く、金曜の夜だからどこも満員だった。
定食屋は閉まっていて、近くの昭和ラーメンという店に入る。カウンターとキッチンだけの狭い店内で、丸椅子の背が高く、彼女が落ちそうになる。立ち食いみたいにして食べる。
おそらくベトナム人か、東南アジアの男女がキッチンに立って、ペットボトルに入った返しと、小鍋に入ったスープを混ぜて作る。チャーシューは火子ちゃんで炙る。
エビとホタテと昆布だしと書いてあって、濃い味でうまい。キッチンの男女が、母国語でしゃべている。サービス券をもらう。「冷やし中華もありますから」と教えてもらう。その後、母国語で喋り出す中で「冷やし中華」だけ日本語だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?