青空       長澤靖浩

昼下がり
真っ青な空の下

きみのやさしい指は僕の髪をかきなで
頭蓋のフタをあける
精妙な思考機械
油の切れた歯車がギシギシと鳴っている

きみはプラグを抜きはじめる
ふっ と連絡が途切れる
もうひとつ プラグを抜いてもらう
また ふっ と空白が生まれる

記憶を 引き出しにしまっておくのではなく
引き出しごと抜きとってしまえるなんて
なんというまっ白な<光の至福>だろうか

きみが 最後のプラグを抜いたとたん
宇宙のくしゃみが 僕の頭を吹き飛ばす!

あっ という間に
肩から下だけになったぼくは
あっ という間に
肩から下だけになっちまったきみの
かわいい桜色の乳首をつまんでいる

意識の
明るい午後の日射しだけが
ふたりを 照らしている

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