宮台真司という蜘蛛の糸

宮台真司が何者かに刺されて、その容疑者が自宅で自殺、容疑者の母親がエホバの証人の信者だったことがわかった。

ツイッターで書いてもうっとうしいし、文字数も限られるし、ここをゲロ吐き所として使おうかと思う。

私はよくある地獄みたいな家庭で育っていて、ただ残念ながら金銭や学業では全く不自由がなかったので、貧しくて勉強する環境を持てない地獄みたいな家庭の友達を持つこともできなかった。
不便な地方都市だったので、発散することも悪い友達を作ることもできない。そんなことをしようものなら即親に見つかる。

小さい頃から誰に言われたわけでもないのに本を読む習慣があって、色々な不満や疑問を本屋や図書館で調べる習慣があった。家庭の地獄加減が思春期に向けてピークを迎えていく中で、なんとか行き着いたのが鶴見済の『完全自殺マニュアル』と、宮台真司の『終わりなき日常を生きろ』だった。この2冊で私は精神的に死なずに済んだと思ってる。

あの頃の宮台真司は、死にたいほど辛いけど仲間を作ることもできず、ギャルになって家を出ることもかなわない女子高生の最終兵器だった、と思っている。その宮台真司がおかしな雰囲気になったのは、結婚相手である人の事を語りだしてからだと思う。キリスト教に入信した頃なのかもしれない。

どういう理由でクリスチャンになったのかは知らないし、興味もない。ただ私は個人的な理由で宗教に癒やしを見出してしまう人が信じられなかった。
母親は間違いなくASDで、無意識にフラッシュバックしたり映像記憶が目の前に現れたりするので、スピリチュアル系の考えを否定しない、そういうのものを「ある」とする人だった。私は小さい頃からそういう母親が御札を貼ったり、数珠のような物を買ったり、祈祷したり、ネズミ講にひっかかったりするのを必死で否定してきた。多分私は頭が良かったので、話をしにやってくる人は全員何かの利益を求めて来ているのがわかっていた。本当に嫌だった。

大量の本を読んで、勉強もしてマウントを取ろうと思えば取れる大学を卒業し、大人になって発達障害の知識を得て思うのだけど、スピリチュアル系の人は薬物やアルコールにはまってしまう人と同じで、幼少期になにか足りなかった人だと確信している。それと無自覚な自閉症的要素を持っていて、映像や画像が脳に降りてきてしまう人。そういう人に宗教やスピリチュアルはリアルではないですよ、と現実に引き戻す気はない。私の母も家庭のストレスで10年間くらいの記憶があやふやだけれど、思い出せとは言わない。忘れていて良いと思うよ、と電話口で伝えている。

私が宮台真司に興味が持てなくなったのがキリスト教への入信だったので、容疑者がもしかして私のように思春期の支えとして宮台真司の本を読んでいたとしたら、クリスチャンになったと聞いた時は相当なショックがあったのかもしれない、と勝手に想像した。エホバの証人はキリスト教系なので。

ただ攻撃するならもっと早くやってもおかしくなかったと思う。山上容疑者と同じように、40歳を超えて宗教家の母親のもとを離れることもできず、無敵の人として就職氷河期世代あるあるの行動を取ったのかもしれない。宮台真司は山上容疑者を称賛した。それが影響した可能性もある。

メディアの人物を刺し警察にびびって自殺した彼は、何らかの精神疾患を患っていたとしても、あの世代の私達の裏側だ。私が彼にならなかったとは言えない。攻撃する勇気や気力はそもそも女子には少ないので、緩慢に自死するだけだったと思うが。世間が見ないようにした私達の膿や恨みは深い。あの時の大人たちは、私達を消費して無かったものにした。自己責任という理由付けをして。

戦後天皇制が崩壊して宗教家が大量発生した。その影響が私達の世代に降りてきている。二世は信心が深くない。成人してからハマった親のように思うことはできない。天皇制がささえてきた日本人の拠り所を、インチキ宗教にまかせてきたツケが今まわってきたのだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?