ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊿ 『楽しいショーがはじまるよ』
「舞台の脚本を書いてみないかね」と友人に誘われたのが二年前。
それはちょうど僕が脚本を担当していた深夜ドラマが打ち切りとなった秋の頃。『公然のアッコちゃん』というそのドラマは、ネットにより透明化された社会で会社員であるアキ子がプライバシーを失っていくという、デジタル世界における危機管理を題材としたブラックコメディ作品で、僕の意欲作だった。それが打ち切りとなり、当然自信喪失。ネット上では好意的な書き込みもあったものの、ほとんどは酷評という波に攫われていった。
「とにかく書