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【後編】 インステップキックの蹴り方(シュート)

サッカーにはインサイドシュート、アウトサイドシュートなど様々なシュートがあります。そのなかでも今回取り上げるのはインステップを使ったシュートです。

インステップシュートはある基準で大きく2種類に分けることができます。その基準とはシュートの「距離」です。ここではシュート距離の長短に応じて、ミドル〜ロングシュートとペナルティエリア前でのシュートに分類して解説します。

今回取り上げるのは中・長距離にあたるミドル〜ロングシュートです。それよりも近い距離のペナルティエリア前でのシュートは来月の記事で解説します。

ミドル〜ロングシュート

1. 助走をつける

遠距離でシュートを狙う場合、大きい力を出すためには助走の勢いが重要になります。力の出し方としては体の回転(ひねり)の力もあります。しかし、体の回転の力のみではミドルシュートまでは可能ですが、ロングシュートの距離になるとかなり難しくなります。

「助走の勢い>回転の力」なので、体の回転以上に助走で大きなパワーを出すことを意識しましょう。そのため、45度から90度の範囲内でシュートの助走に入ると、最も助走の勢いをボールにパワーとして伝えることができます。

2. 軸足をつく

インパクトの瞬間に助走で得た勢いをしっかりボールに伝えるためには、良い位置に軸足をつくことが重要です。軸足をつく位置は個人それぞれの適正位置を見つけて、そこに軸足を置くのが理想です。

やや前(シュート方向側)気味に軸足をついて、シュートを浮かせないようにすることも意識としては大事です。ただ、ミドル〜ロングシュートの場合、ゴールまで距離があるのでボールを浮かせないように抑えることの優先順位は低いです。そのうえで、ボールを浮かせないために上体を被せて蹴る方法がありますが、僕はあまりおすすめしません。

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上体を起こしたときは脚の振り幅を大きくとることができます。大きな振り幅をとれるということは、それだけ大きなパワーをボールに伝えられるということです。

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一方で上体を被せてしまうと、必然的に足の振り幅も小さくなってしまいます。これだとボールをふかしてしまう確率は小さくできるかもしれませんが、シュートの威力も弱くなってしまいます。

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優先度は低いですが、軸足をボールのやや前(シュート方向側)につくことで、シュートを浮かさないように調整できます。下の写真では、軸足がボールよりも少し前に出ていることがわかると思います。

上体は起こしたまま振り幅は大きく、軸足の位置で調整しましょう

3. バックスイングをする

ロングキックと同様にバックスイングの大きさとシュートの強さは比例します。つまり、バックスイングを大きくとることができれば、それだけ強いシュートを打つことができるようになります。そのため、個人それぞれの最大幅を知ることがとても重要です。

そして、遠くへ蹴ろうとして力むのではなく、筋肉の柔軟性を最大限に引き出すようにしなやかなバックスイングを目指しましょう

4. ボールをインパクトする

足の形はできるだけ縦にして蹴ります。足を縦にしてインパクトすることで、脚の振りによる出力(=パワー)をボールに最大限に伝えることができます。実際には足の大きさによりまっすぐ縦にすることはできない(足が地面に衝突してしまう)ので、できるだけ縦に近づけて大きな力をボールに伝えます。

「シュートではなるべく縦に」、「ロングキックではなるべく横」にが基本です。

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シュートを打つときの足の形。地面に衝突しない程度に縦にしましょう。

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ロングキックを蹴るときの足の形。シュートのときの足の形に比べて足を寝かせていることがわかると思います。

5. 足を振り抜く

ボールに足を乗せきることで最大の出力を得ることはできますが、一方でシュートが浮かないように軌道を抑えることが難しくなります。強く蹴ろうとしすぎてボールに当てすぎてしまい、シュートがゴールの遥か上に飛んでしまうことがよくあると思います。

足の振り抜きによりボールに力を加えきることと、ふかさないように下へ抑えることの絶妙な時間を探し当ててください。

なお、足を縦に入れた場合、ボールの接地時間が長いほどシュート方向は定めやすくなります(足を横に入れるロングキックとは逆になります)。



監修・制作:阿部翔平(SHIBUYA CITY FC)

制作・編集:川上皓輝(SHIBUYA CITY FC スタッフ)


YouTubeでは動画でキックの解説をしています。そちらもぜひご覧ください!

「あべしょーのKick Story」はこちら


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