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ユナイテッドアローズとのコラボレーション

まさか6代目の世代ど真ん中のアパレルブランドと自分の仕事が結びつくとは

これが最初の印象です。なぜ、阿部酒造という小さな酒蔵とコラボが実現したのかその辺りを記載しながら、ユナイテッドアローズさんとのコラボ商品の紹介をできればと思います。

きっかけ

きっかけは2019年まで遡ります。日本酒イベントの「若手の夜明け」に東京では初めて出ることとなり、阿部酒造らしさを伝わる場にできればと、とにかくブースによる人達に阿部酒造において、4つの造りの方針のうち特に大事だと考えている『発酵を楽しむ』というコンセプトがしっかりと伝わればと、1商品毎に3-4分かけて説明をしていた記憶があります。

【阿部酒造の造りの方針と理念】

そんな中、阿部酒造のブースにお立ち寄りいただいたのが、ユナイテッドアローズ(以下UAと略)の鈴木さん。UA社として新しいチャレンジの場があり、元々クラフトビールが好きだった鈴木さんが社内のプレゼンに通り、酒販事業を行う話を伺いました。
阿部酒造の方針に共感していただき、後日阿部酒造まで足を運んでいただくことになりました。

▲右がUAの鈴木さん

柏崎に来てからは、阿部酒造が挑戦したいこと、阿部酒造が酒蔵にしかできないやり方で柏崎を盛り上げたいこと、田んぼのこと色々話をさせていただきました。
また、鈴木さんからもUA社としての今後の展開などのお話をいただき、一緒に取り組みをする形でその日は解散。
アパレル業界とコラボできるのは今までの客層とは違ったファン獲得や認知度を高めることができ、0→1をやりたい阿部酒造にとっては願ったり叶ったり。しかもUAは僕世代はドンピシャな世代。
どのような展開ができるかワクワクでした。

蔵から一番近くの圃場『安田鳥越』の田んぼ

しかし、その年の冬にやってくるのです。
コロナが。。。
我々酒業界も打撃を大幅に受け、UAも同じく打撃を受け一旦諸々がストップとなってしまいました。

そして2021年の夏のこと

UAさんから突然連絡が入りました。
2019年から音沙汰なく2年経ったので正直もう話は無くなったかな、、と思っていた矢先での連絡で、ご連絡を鈴木さんからいただいた時はめちゃめちゃ嬉しかったし、2019年よりも2021年は阿部酒造としても大きく成長をできていたので、ある意味2年間の充電期間はプラスに働いたかもしれません。

『UAの酒屋さんをやります』『コラボ酒もやりたい』
とのことで、全力で阿部酒造も一緒に取り組みをさせてください!!という話と阿部酒造としてコラボをやる際にお願いをしているのは、全力で取り組む代わりに1回こっきりだったり継続性がないものはやらない、という点。
その辺りの話もご理解いただき、コラボ酒の取り組みが始まったのです。
(この後商品の話を書きますが、1年目からすでに2年目以降の計画も立ててたりしました。)


コラボ酒の動きだし!!

まずは当社のお酒もUAの鈴木様を始め、皆様にテイスティングをしていただき、ベースの設計をどれにするか決める作業を行いました。
その中で、皆様に響いたのが、★シリーズの『FOMALHAUT』(フォーマルハウト)というお酒です。
少し話がそれますが、阿部酒造は大きく3シリーズを展開しています。

阿部酒造の製造ラインアップ

①あべシリーズ
②★シリーズ
③圃場別(ホジョウベツ)シリーズ

あべシリーズ
★シリーズ
圃場別シリーズ

FOMALHAUTがある★シリーズとは、所謂日本酒の製造の教科書的な造りではなく、あえてその教科書的な造りから逸脱することで、今までの日本酒では味わえないような味わいの酒を造りたい、造って飲みたい!と思い2017年から始めたシリーズです。
一般的な日本酒造りから外れれば当然味わいも逸脱しがちなので、ラベルも日本酒らしいラベルから逸脱しております。

FOMALHAUT

FOMALHAUTとは

FOMALHAUT阿部酒造の中でもシーンは唯一食後とラベルに表記しているお酒です。このお酒は※1『貴醸酒製法』という特殊な製法で仕込んだお酒で、飲んでから序盤にまるで『蜜』のような濃醇な甘みを感じるお酒で、この製法ならではの味わいがバシバシ感じます。
ただただ、甘いだけですと、飽きてしまうので、阿部酒造ではアルコール度数を13−15度と下げることで杯を進みやすくしています。
デザート酒のような形で締めに一杯でも良いですし、ゴンゴンゾーラチーズやフルーツソースなどを使うジビエ料理とも相性抜群です。
UAの皆様はこちらを非常に気に入っていただき、コラボ酒はこのFOMALHAUTのレシピを参照し造ることとなりました。

そして昨年、1年目初めて仕込んでできたのがこのお酒
FOMALHAUT the Hazy

FOMALHAUT The Hazy

元々クラフトビールが好きだった鈴木さん。Hazyと言われるにごりが好きだったことから、阿部酒造としても初めてのおりがらみタイプのFOAMLAHUTを造ってみました!

そして2年目の2022-2023製造期。
今年は1年目に造った、『FOMALHAUT The Hazy』を使って仕込んだお酒が『FOMALHAUT Imperial Sake』です!!

FOMALHAUT Imperial Sake

去年の1回目の貴醸酒造りでも贅沢だったのがさらに贅沢になりましたw
しかもこのお酒の一部には2年前に造った阿部酒造のお酒が少なからず入っているんですよね。鰻の蒲焼のタレのように継ぎ足し継ぎ足しで続いているこのシリーズのお酒とっても上品な甘さながら、エイジングにも耐えうるように五百万石という新潟県生まれの酒米を使わせていただいております。

【販売詳細】
UA&阿部酒造の直売所:おりがらみ生ver
阿部酒造の特約店様:フィルタリング(濾過)した生酒ver
アルコール分:14度
内容量:500ml
小売価格:2,860円(税込)

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毎年バレンタインデーが近いこともありますので、ぜひお菓子が苦手、甘い食べものが苦手。でも酒は好き。そんな方に贈ってあげてください。
またお料理との相性は前半のFOMALHAUTの説明でも記載した通り、圧倒的に洋食との相性が良いです。ぜひお試しください。

余談

このお酒のラベルについてです。
阿部酒造の★シリーズのラベルは原材料の田んぼを切り取ったラベルにしているのですが、このコラボ酒もこういった背景から繋がるように、UA社の原点とも言える、原宿本店の壁の絵をラベルに採用していたりします。
ちょっとした小話でした。


※1 貴醸酒製法…日本酒を造る際、米、米麹、水の3つの原料を合わせてアルコール醗酵の後、濾したものを日本酒と呼ぶわけですが、その原材料の水のうち一部を酒に置き換えて、仕込む製法。『水の代わりに自社製造の酒』を使うのですから、大変貴重かつ原価もかかった製造方法です。
この造り個人的にはめちゃめちゃ面白い展開を考えているので、乞うご期待ください!!



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