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クラスクの白い邪魔マグネット(ビスケット)を飛ばしてみよう

ボードゲームが上手くなりたい。あべりょです。

デンマーク産のボードゲーム KLASK(クラスク)が上手くなりたいと思う人向けに、コツやテクニックを紹介しています。
前回は、ゲームスタート時のサーブについての持論を紹介してきました。

今回は、満を持して、クラスクにおける白いマグネット(ビスケットと呼びます)を操ってみようという回です。

まず、冒頭に話しておきたいのは、「ビスケットは無理には扱わなくていい!」ということです。
楽しくルールに則れば、どんな遊び方もどんなプレイも自由ですし、こうやらなければならない!ということはありません。

しかしながら敢えてこのnoteを書いたのは、ビスケットを扱えるようになると、プレイの幅が広がり、クラスクの面白さが格段に大きくなるのも事実であるからと思ったからです。

よって、ビスケットの扱い方を是非知りたい!と思う方向けに、学んで欲しいという思いを込め、この記事を書きたいと思います。

それでは、どうぞ。


ビスケットの基本情報

まず、ビスケットとはそもそも何だろう?というところから紹介します。

ビスケットとは、クラスクに3つ付属している、白い磁力を持った丸いパーツのことです。ボールを操作する黒いストライカーも磁力を持っていますので、互いにくっ付いたり反発したりすることになります。
そして、ビスケットが2個以上付いてしまうと、「ダブルビスケット」という反則になり、相手に1点が入ってしまいます。

そんなビスケットですが、実は上側と下側があります。

穴の方を上にして、配置しましょう

穴がある方が上側ですので、ゲームを始める際には穴が見えるようにして、3つをクラスクボードの中央部分に配置しましょう。

余談ですが、クラスクはここ数年でバージョンアップが続いています。
ビスケットも2019年に大きく仕様が変更になっており、以前までは円柱で角ばっていたものが(下図右)、丸みを帯びたビスケット(下図左)になっており、よりコロコロと盤面を転がりやすくなっています。

右のタイプのビスケットは古い

転がりやすくなったことで、フィールドを縦横無尽に移動してストライカーにくっつきやすくなり、クラスクのエキサイティング感が増しています。
古いバージョンをお持ちの方は、可能であれば、最新版のクラスクを購入して遊ぶようにしましょう。


ビスケットの操り方

次に、ビスケットの操り方をお伝えします。
一見難しいように見えるのですが、めちゃくちゃシンプルです。
一言で言いますと、

「スピード感をもって、
 減速せずに腕を振り抜いて、
 勢いよくぶつける」

ということが必要となります。
文字情報で伝えるのは難しいので、もしお時間がありましたら、是非以下の動画(約2分間)をご覧ください。

クラスク初心者の方にビスケットの扱い方を教えた様子を録画したものですが、たった2分で無事にくっ付かずにビスケットを扱えるようになりました。

磁石にくっ付かないようにと思うと、ぶつかる直前で引いてしまいがちですが、それだとビスケットがくっ付いてしまうので、通過点だと思って思い切って手を振り抜いてぶつけてみると、意外にもくっ付かないのです。

シュッと勢いつけて、そのままバーーーーンってぶつける感じ

長嶋茂雄元監督がクラスクを指導するならこうなりそう

また、縦方向ではなく横方向に振り切るということも重要です。
縦に振ると打ったビスケットが壁に当たって自分の方に戻ってきてしまい、自分のストライカーにくっ付いてしまったり、ストライカーが飛んで行って操作不能になってしまう可能性が高いからです。

ビスケットを操ることで狙えること

これまで、ビスケットの操作の仕方(以降、「蹴る」と呼びます)を説明してきました。一度実際にやってみてください。
案外、簡単にできると思います。(できない場合は、よりスピードつけて、ぶつけてみてください!)

そうです。ビスケットを蹴るだけなら意外と簡単なのです。
単純に蹴られるようになっただけでも楽しいのですが、何か「狙い」を持ってプレイすることで、更に、一段階上の奥深さがあって楽しくなります。

ここからは、ビスケットを蹴ることでできるいくつかのテクニックや戦術をご紹介したいと思います。(クラスク猛者にご協力いただきました)
以下のプレイを意図的にできるようになると、クラスクの沼にどんどんハマること間違いありません。

①相手にくっつける

一番イメージしやすいテクニックだと思います。
ビスケットを2つ相手のストライカーにくっ付ければ得点になるので、是非狙ってみましょう。
イメージとしては、相手のストライカーに向けて真っすぐ、自分のストライカーを振り切るようにすることです。
もしくは、蹴る時に真横に腕を振るってストライカーを当てるようにすると、壁の反射によって、相手にくっ付きやすくなるのでおススメです。

こちらは、ビスケットプレイを日本に広めたと言われている、ゆれひ選手による、ダブルビスケットとなります。

本旨とは逸れますが、「今後触れ合う人にビスケットはぶつけていきたい」とのことですので、一緒にクラスクをする場合は注意してください。

②場外に出す

自分のストライカーにくっ付かないように、クラスク盤面の外に出す戦術です。
一度場外に出たビスケットは、プレイヤーどちらかが得点しない限り盤面に戻しません。
よって、このテクニックが使いたい状況としては、自分に既に1つビスケットがくっ付いていて、あと一つでダブルビスケットで失点してしまう場面でやることが多いです。

やり方は、ビスケットを蹴る際に、更に力強くぶつけることを意識することで、ステージの外にビスケットを出すことができます。

バーーーーーーーーンってゴーーーーーンってぶつけてみて!

長嶋茂雄元監督がビスケットを蹴る時の擬音

ゆれひ選手によるお手本プレイがこちらです。慣れると、あまり力を入れることなく、外に出すことができます。


③相手の打つ直前のボールをずらす

ビスケットを相手のストライカーではなく、ボールに当てるテクニックです。
相手が敵陣地で持っているボールは、通常であれば、自分が操作することはできませんよね。(クラスク台の下を見てみると、中央に板があるので腕が伸ばせません)

そこで、ビスケットを当てるのです。
特に、相手がボールを持った状態で、相手がボールを打ってくるであろうタイミングでボールに当てることができれば、相手の攻撃をストップすることができます。


④ボールに当ててゴールに入れる

前のテクニック③よりも更に高度なテクニックです。
決まればスタンディングオベーション確実の、ファービュラスでビューティフルなテクニックです。

それは、ビスケットを蹴って飛ばすことで、ボールを弾きつつ、ゴールに入れるというスーパープレイです。防御と攻撃を兼ね備えた大技です。
これを、「ゆれひショット」と呼ぶプレイヤーもいます。
全国大会に出るプレイヤークラスになると、自由自在にボールに当ててくるので、マイボールにしたところで気は抜けません。

こちらは、日本一ビスケットの扱いに長けているつかさ選手(2024年準優勝)による、ゆれひショットとなります。
やられているのは私です。
これは防げないって!


⑤ゴールエリアに入れる・ゴールエリアから出す

自分のゴールエリアにビスケットが入った状態を「エンジェル」と呼ぶことがあり、エンジェルは一般的には防御力が増えると言われています。
(ゴールに入ったボールに当たり、ゴール外に弾くと考えられるため)

その為、敢えて自分のゴールエリアにビスケットを引き寄せて、防御のサポートをしてもらうことがあります
稀に、相手のゴールに意図的にビスケットを入れて相手をエンジェル状態にするプレイヤーもいますが、難易度の高さの割にメリットは薄いため、おススメはしません。

ゴールを守っている様子から、エンジェルという名前で呼ばれています

逆に、エンジェル状態のビスケットを、外に出すこともできます。
これを「ライジング」と呼ぶことがあり、相手に1つのビスケットが付いている状態で、あと1つ付ければダブルビスケットになる状況で、狙うことが多いプレイです。

ゴールの穴付近でストライカーを動かすことになるため、ビスケットが自分にくっ付いたり、穴に落ちてしまう等しないように注意が必要です。


⑥エリアにばら撒く

直接相手にくっ付けるのではなく、空いている敵陣地にまきびしの様に配置することで、次のシュートを相手が防ぎづらいようにしたり、相手の不注意によるダブルビスケットを狙ったり、ボールのイレギュラーバウンドを引き起こしたり等、「次のプレイ」への布石とすることができます。

通常、相手はビスケットを付けたくないという考えを持っているため、プレイ中に考慮しなければならない「要素」を一つ増やすことになります。
考慮する要素が増えると、思考力は鈍化しますよね。それが狙いです。

その点においては、直接相手のストライカーにくっ付けて単発で終わらせるより、敢えてくっ付けない方が、ある意味強力であるとも言えます。

参考としてみていただきたいのが、以下の動画となります。
最後の、布石として置いておいたビスケットにボールを当てるシーン。
この位置に置いてあったのが、最終的に得点に繋がっているのが分かりますでしょうか。


⑦相手の目と耳の注意を奪う

突然ですが問題です。
1つのボールと1つのビスケットを比べた時、より脅威で注意して扱うべき対象はどちらでしょうか。

答えは、1つのボールとなります。

理由としては、1つのビスケットがくっ付いても、ダブルビスケットにならなければ問題ないですが、ボールは自分のゴールに入ってしまえば即時に失点になるからです。
ディフェンスの際にも、ボールを優先度高く意識して対応することが非常に重要です。(ビスケットを扱えるようになると、ボールよりもビスケットを扱いたくなって、上級者でもイージーミスをすることがあるのです)

相手も当然、ビスケットよりボールが大事!という意識が少なからずあると思うのですが、そんな相手の優先度を惑わしてしまえ!というのがこの戦術です。

「運動量保存則」という懐かしい響きの法則が示しているのですが、同じ強さの力を加えた時、重いものよりも軽いもののほうが速く動きます
ボールは重く、ビスケットは軽いです。つまり、ビスケットの方が速く動くことになります。

もうひとつ、人間の目は速いものを優先して目で追う習性があるため、速く動くビスケットの方を無意識のうちに目で追うことになります。

つまり、本当はボールの方を優先的に守りたいはずの相手は、素早く動くビスケットをついつい見てしまい、ボールを見落としてしまうということが起こるわけです。

クラスクの動画を見ていると、「なんでこんな遅いボールなのに止められないのか」というケースがたまに起こっています(特にサーブ)。これは、プレイヤーがボールではなくビスケットを見させられているからなんです。

プレイヤーによっては耳で、プレイ音を聞きながら遊んでいる方がいますが、こういった相手に対しても、ビスケットを弾く音を立てることで、情報量を増やして惑わすことができます。


⑧相手のやることを増やしてプレッシャーでミスを誘う

自分がボールを持っているとき、相手がビスケットを蹴ってきたらどうでしょうか。どう対処しようか慌てますよね。
そうなると自分のゴールにストライカーを落とす(クラスク)こともありますし、ボールの対処を誤ってゴールに入れてしまうかもしれません。
そのように、相手の判断力を下げることができる点も、ビスケット戦術の強みの1つです。



まとめ

ここまで、ビスケットを扱う方法と、そのビスケットを扱うテクニックや戦術を説明してきました。
ただ、冒頭にもお伝えした通り、「ビスケットは無理に扱わなくていい!」というのは改めてお伝えしたいと思います。

2023年日本大会にて日本一を獲ったこうへい選手も、「基本的にビスケットはめっちゃ避けよう」ということをおっしゃっています。
ですので、やりたい人はやる、やらない人はやらない、ということで大丈夫だということは、改めてお伝えします!

さっきも言いましたがビスケットは2つくっついた時点で相手の点なので基本的にくっつかないよう避けて戦います。

①相手が打ってきたら避ける!
②ボールと一緒に飛ばしてきたらボールインゴールをまずは第一に守る!
③自陣に転がっているビスケットには近寄らない!

まずはこれが基本となります。

こうへい選手のnoteから引用

以上となります。
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
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noteを読んでの感想や意見や、書いてほしいリクエストがあれば、是非お気軽にコメントお願いします!
KLASK一緒にやりたい方も是非!わいわいもガッツリもやりましょう!

あべりょ
2024年7月18日


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