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DeFi(分散型金融)はICOの二の舞になるのか?

9月9日の夜に分散型金融(Decentralized Finance:DeFi)をテーマにした「フィンテックエンジニアエンジニア養成勉強会」を開催します。
私達は金融エンジニア養成コミュニティを有志で運営しています。今回の勉強会の登壇者は、コミュニティ共同創設者の藤井達人(auフィナンシャルホールディングス執行役員)氏や、日本STO協会の監事で、日本ブロックチェーン協会顧問、FinTech協会キャピタルマーケッツ部会事務局を務める斉藤 創弁護士や、ブロックチェーンなどを学習するほどトークンがもらえる”オンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営している株式会社techtecの代表 田上 智裕氏や、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)のステーキング部の会長で、株式会社マネーパートナーズグループで暗号資産・ブロックチェーン事業の支援や子会社の暗号資産交換業者のコイネージ株式会社の支援を行っている 鈴木 雄大氏といったそうそうたる顔ぶれです。
パネルディスカッションのモデレーターには、株式会社 幻冬舎で「あたらしい経済」の編集をしDeFiの動向にかなり詳しい 竹田 匡宏氏にお願いしました。
DeFiの概要をわかりやすく伝えた上で、今後の動向などについて深掘りします。どなたでもお気軽にご参加いただけます。奮ってお申し込みください!

DeFiについて

DeFiについては私達が出版した『フィンテックエンジニア養成読本』のブロックチェーン解説章でも説明しています。具体的な例として、暗号資産レンディングのCompoundと非中央集権の暗号資産取引所のDEXの2つが紹介されています。こちらはコンセンサス・ベイス株式会社に執筆を依頼しました。実は出版直前に「DeFiについても載せてください。」と追加の依頼しており、多忙にもかかわらず快く引き受けていただいた経緯もあります。

分散型金融(Decentaralized Finance、しばしばDeFi(デファイ)と略される)とは、銀行や証券会社などの金融機関を介さずに、ブロックチェーン上でユーザに金融サービスが提供されるしくみです。オープンファイナンス(Open
Finance)とも呼ばれています。これまで金融サービスでは、証券会社や銀
行などの中央集権的な機関による仲介が不可欠でした。銀行の融資であれば、まず銀行が利用者からの預金を集めて、借りたい人・組織に対して融資を行います。その融資金額は、銀行による与信審査・信用リスク評価に見合った額となります。しかし、分散型金融の場合は、それらの仲介する金融機関の役割をすべてスマートコントラクトが担うことで、透明性の高い金融サービスが提供されます。これらのスマートコントラクトは、EthereumやEOSなどのブロックチェーン上に作られます。

さらに著書の監修者で、かつ、本コミュニティの共同創設者の藤井達人氏による「DeFi(分散型金融)を解説、JPモルガンやフェイスブックが注力するワケ」という記事や、藤井氏の説明を一般社団法人フィンテック協会の水野 智之氏がまとめた「DeFiの最前線を解説、なぜ分散型金融への道は不可逆なのか」という記事も寄稿されているのでご一読下さい。

DeFiとCeFi

そもそも暗号資産金融サービスの中には、CeFi(中央集権型金融:Centralized Finance)とDeFi(分散型金融:Decentralized Finance)というのがあります。CeFiは企業(背後にいる人々を信用)を介してそれを実現させ、一方のDeFiは特定の組織、企業ではなくプロトコルを信用して金融サービスを実現させようとしています。DeFiとの比較としてCeFiでよく事例にされるのがBlockFiとう仮想通貨レンディングサービスです。私にはうまく説明できないので、当日の登壇者にこのあたりについて詳しく聞けたらいいなと思ってます(理解できできたら、あとでここに説明も追加します)。

DeFi本はあるのか

DeFiについて解説されている本はそれほど多くはないです。私達が寄稿した『フィンテックエンジニア養成読本』以外には洋書になりますが『How to DeFi』という本が有名です。この本はmakerやcompoundといったは日本でも知名度が高いプロダクトの説明が載っています。またそれ以外にもuniswapや、dYdXSynthetixTokenSetsPoolTogetherSablierNexus Mutualなどについても紹介されています。尚、こちらは翻訳はされておりません。

イーサリアムベースのDeFi

イーサリアムベースのDeFiは既にたくさんあります。いくつかカオスマップ的なものが公開されていますが、この中にはもの凄まじい勢いで成長しているのもがあります。これとは逆に止まっているサービスもあるのでかなり流動的な状況です。

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イーサリアム以外のDeFi

一方でイーサリアム以外のDeFiをまとめている記事もありました。個人的には、トークンに限らず任意のデータをブロックチェーン間で送受信することができるネットワーク・プロトコルの一つであるPolkadotに注目しています。

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あたらしい経済のあるべき姿から学んでみる

最近、『ブロックチェーンがひらく「あたらしい経済」 』というブロックチェーンについての書籍を購入しました。ここ最近はブロックチェーンや暗号資産の本にはあまりぱっとした本が出てませんでしたが、久しぶりにこの本はわかりやすくて気に入っています。
実際にブロックチェーンを事業として取り組んでいる企業の著者達が書いてるので説得力があります。もちろん彼らも全てが分権化するとまでは言っていませんでした。ただ、この本の説明や事例を見ると今後の社会やビジネスの中でのブロックチェーン活用について様々な可能性に気づくことができます。金融以外での分権化について敢えて学ぶことで、全体的に経済活動の変貌などを知り、またそこで必要となる分権化型金融の必要性を知り得れたり、そういった分権化したコト同士がインタオペラビリティ(相互運用性)されていく社会が訪れる気すらします。

DeFiの勉強会で学びたいこと

次回の「フィンテックエンジニアエンジニア養成勉強会#10 DeFi(分散型金融)の現状とこれから」は9月9日に開催します。サブテーマには『「金融と技術の融合からなる新しい経済」のプロバビリティー』と名付けてみました。最近はCOVID-19の影響でデジタル化への考え方が大きく変化してきたと思います。「これまでは不安やセキュリティーの観点でリスクがあるからなかなかやらなかったを、緊急事態のため実際にチャレンジすると意外と大丈夫だった。またはやってみたら新たな問題が発生したけど急いで対応することができた。」といった実績が増えている気がします。これによって「アナログベースからデジタルへ置き換えていく」という考え方ではなく、「デジタルを主導で考えて、どうしても難しいところはアナログにする」という方針にどんどんシフトしていくのではないでしょうか。
金融の場合にはマネロンや詐欺と言った悪事が横行したり、暗号資産は過去にICOでの詐欺やハッキングによるネガティブな印象が大きいため、さらに慎重なところもありますが、果たして今のままで本当にいいでしょうか?
私達がこれまで歩んだ中央集権型金融そのもの考えを、こういった機会に見つめ直してみるというのはとても意義があると思っています。暗号資産の法律に詳しい斉藤弁護士にもご登壇いただくので、国内での進め方についていろいろと伺ってみたいですよね。
パネルディスカッション後半は、できるだけインタラクティブな場にできればとと思っております。是非みなさんも一緒に学んで、今後について深く考えてみませんか?
申し込みはこちらからお願いいたします。



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