abekoubou

ただの酒粕です。よく飲むためによく動き回りたいと思っています。

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『ざくろの色』の美と笑い

言わずと知れた詩的映像の傑作。アルメニア出身のセルゲイ・パラジャーノフ監督が1969年に公開された映画である。よく酒場で好きな映画は何かという意図の読みづらい質問に対して、意地悪く真っ先に本作の名前を挙げるのだが、たいていぼんやりとした解答しか返ってこない。仮に見たことのある御仁に出会ったとしても、映画と認められないパターンもある。確かに本作は話の筋はほぼ皆無で、幻惑するようなイメージ(それらの多くはアルメニア土着の宗教や風俗を示すモチーフや動植物)の連なりからなる映像詩であ

    • 大阪の街並みは油断している

      大阪の街並みの良さは歴史と生活感と近代的ビルディングがごった煮になっている点にあると思う。 写真は淀屋橋から京橋方向を向いて撮った写真だが、煉瓦造りの大阪市の中央公会堂の川向かいには屋台かと見まごうふぐ屋が軒を構え、その奥には脈々と立ち並ぶ近代ビル群が。大阪の街を歩くと至る所で、歴戦の覇者とも言える建物と、人々が油断できる夜の場所と、規律正しく経済を回す現代の城が肩を並べて建ち並ぶ様子が渾然一体となって飛び込んでくる。 東京は空襲で街が焼けてしまったからか、都市の機能が分

    『ざくろの色』の美と笑い