日記 2024.6.1

日中は自宅でひたすら都営住宅の資料を見て表をつくったりしていた。資料ごとに違うことが書かれていたり、違う年代の情報に依拠していたりするので複数を突き合わせて、かつ何らかの根拠でそこからひとつを選択する必要がある。こうした地道な作業は、それなりに時間がかかる。間違いを避けたり批判に対して答えるための作業だから、人に見せて感動させるようなものでもない。

夕方はアトリエ春風舎で譜面絵画の『良いキャンペーン』を観る。中央に背中合わせで客席があるため、背面で行われている芝居は見れないつくりだった。観光バスで市内や動物園を巡っているようでもあった。
ダークツーリズムや観光地化にまつわる問題を、ことさら問題としてメッセージにしたり、結論のあるドラマにしたりはせず、小さな違和感や傷が生まれた瞬間瞬間を拾い上げて並べて、登場人物も観客と一緒にその並べられたものたちの間を巡っていくような舞台だなと思った。だから、時間も行きつ戻りつする。お話としての結論はないけれど、いっしょに過ごした70分くらいの時間の終着点はある、というような。戯曲以上に演劇という場を信用しているようにも感じた。

終演後はパートナーと合流し、中華料理を食べに行った。そのあと相談事で両親のマンションにも顔を出した。

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