日記 2023.2.25

墨田区役所のよこのリバーサイドホールで、すみゆめの報告会。11:30に集合してリハの予定だったが、貧血でフラフラ、体を起こせない。復調するのを待って出たら少し遅れてしまった。数分の遅れで済んだのでよかったけれど。

ついたら全団体がリハーサル。スライドが時間制御で自動的に変わっていく仕様のため、うまく配分しながら話す必要がある。どうしても情報量が多く、駆け足になってしまうが要点だけをひろいあげるよう気にしながら話す。うちだけがこんなにツメツメになってしまったのかと思ったら、多くの団体も似たような様子だった。でも何も知らずに報告だけ聞きにきた人をイメージすると、作品自体はここにないのにディティールの話をされても辛い時間だろうから、これくらいばさっと切っていくスタイルはよかったのかもしれない。

お世話になっている事務局の方に「マグロとか、カツオとか」と言われたので隣にあるスシローでひとりお昼を食べる。スシローには「ガリやお茶など設置しているものに不安がある方はお申し付けください」というようなことが書いてあって、昨今のいたずら動画問題の川下を見たようだった。どうしたって本人を超えた影響を与えてしまっている。「バズる」は「ウケる」だけじゃない。

ホールに戻って、他の参加団体の方々などと話しているうちに開式。偉いひとの挨拶のあと、順番になったらうちも発表をする。台本をつくってあったのでそんなに同様はしないが、マスク(取り忘れた)のせいで呼吸が浅く、妙に息苦しかった。

各団体の発表のあとはオープンミーティングということで、公共空間と伴奏支援というふたつのテーマで集まったひとびとと話し合う。
大勢の前で発言するとき、やはり呼吸が浅くなって言いたかったことが自分でよくわからなくなってしまうことがある。少人数であれば即興でも問題なく着想がことばになっていくのだけど、からだが緊張を覚えるとその機能ががくっと落ちる。嫌だなあと思うのだけど、そんな機会も多くないからいつまでも治らない。むしろ高校生とか大学生のときのほうが大勢の前で自身をもって話ができた気もする。挫折のなかで根拠のない自信を失っていった。それは誰もが通るまっとうなプロセスだと思うのだけど、であれば根拠のある自信を多少なりとも積み上げたい。

一年前は誰も知らない墨田の現場だったが、一年経つと話せる顔見知りがけっこうたくさんいることはうれしい。もっと以前の知り合いとの再開の場にもなっている。なにはともあれやってみたことの意味はあったんだと思う。東京を捉えるパースペクティブに墨田や江東が入ってきたことは、練馬や豊島を相対化するだけじゃなく、散りばめた点をつないだときの図形がより大きくなるような、自分のなかの東京自体がすこし大きくなったようなかんじもする。何かあったとき、参照できる経験は多いほうがいい。練馬が古巣であることは変わらないが、練馬周辺だけのエコシステムでできることには当然限界があるから、エコシステム自体を拡張していく必要はこれからもある。そのときにどういった体制を敷いておくと発注をかけやすい存在になるか、というのがこれからの課題だ。

終わったあともしばらく立ち話をし、墨田をあとにする。しばらくは人のイベントに参加するようにしてみたいと考えている。

浅草から地下鉄に乗り、上野に出て新宿まで向かう。パートナーと合流して紳士服屋でスーツを買う。一着は決め打ちだったが、2着買うとシャツ2枚がついてくるという言葉に乗せられ、もう一着買う。ブラウンとグレーのスーツ。大学生の頃だったら買わなかっただろうカラー。思わぬ出費だが、自分にフィットしたもののためにお金を出していくことは、お金回りをよくしていくかんじもする。けっこう気分のいいものだ。

新宿でタイ料理を食べ、地元に帰る。ちょっと飲みたい気分もあり、たまたま目にした猫居酒屋に入る。全体的に猫のゲージのなかでお酒を飲むようなお店だったが、まるまる太った猫が4匹我が物顔でくつろいでいて、それはそれで面白かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?