日記 2023.7.18

仕事はやすみ。
午前中は締切の近い原稿を書き、昼からは国分寺へ。東京学芸大学を訪ねて、文化人類学を専門にされている先生とお会いした。先月の学会でご縁があり、情報交換のための会合というかんじだった。

文化人類学の考え方の根底にあるのは「異なるもの/社会の理解」で、そのためにはどのように対象者が世界を捉えているのかという他者の視点への接近が重要ということだった。歴史上、社会学や民俗学以上に物理的に遠い人々を対象とすることが多かったこともあり、調査者の身体や経験ということもポイントになるということだった。そのことと、演劇の持つ演技や役割交換という特徴が重なる。また、文化人類学の主要な関心のひとつが儀礼や祭礼で、演劇的な営みと社会という観点でも舞台芸術に関心を寄せてくださっていた。

具体的な現場に集中していると、人類や(個別ではなく普遍系(そういうものがあるとしたら)としての)社会という思考フレームをなかなか召喚できなくなる。現場と思考の往復ならよいのだけど、業務と現場の往復では創造というよりも問題解決を目指してしまいがちになる。それはなかなか心掛けでは解決ができなさそうだ。

読書を習慣化する?ゆっくりと一つのプロジェクトを育てていく?力を注ぐ先は選んだほうがよさそうだ。
また意識の切り替えを、何かルールというか習慣化するのもいいかもしれない。部屋の使い方とか。
最近、家に帰ったら早めにスーツを脱ぎ、普段着になるようにしている。スーツを着ているままだとなんとなくその格好でいるときの思考をひきづってしまう。短パンでいるときのほうが頭が働く。
スーツは自分のなかで「役割」になってしまっているんだろう。役割を演技のようにPLAYできればいいのだが、演技にせよ遊びにせよ、ここまでという終わりがあるからよいけれど、終わりのない役割は自らの属性そのものにすり替わっていく。試しに置いた植物が鉢を突き破って根を張ってしまうような。

思考を遠くに広げられたうれしさを抱きつつも、急ぎの連絡を数本済ませながら新宿へ。はじめての美容室に行き髪を切った。無口な美容師さんだったが、長さなど丁寧に確認してくれた。でもどこがどういう長さになっているとどう良いのかよくわかっていないので、「よさ」につながったのかはわからない。

パートナーと合流し新宿でタイ料理を食べて、しばらく歩いてから帰宅。
汗だくだったので早めに休んだ。

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