"勘と経験のテスト"にエッセンスを加えたお話
みなさんこんにちは。
あべちゃんと申します。
自己紹介に書きましたが、大学を卒業後、ソフトウェアテストに関わるお仕事を続けて6年目になります。
さて、今回は…
「"勘と経験のテスト"にエッセンスを加えたらリリース後の不具合がなくなったよ」
というお話をします。
みなさんは、このような経験はありませんか?
もしくは、このような状況を見たことがありませんか?
・ある製品ドメインに対して、ずっと経験ベースでのみテストを続けている。
・昔からある製品に対して、同じようなテストを繰り返している。
私が担当していた製品もそのなかのひとつです。
そうしたことで起きたデメリットは…?
・チームメンバーへの教育が行き届きづらい。
・リーダー、メンバー間の認識の乖離が起きやすい。
・要員交代が頻繁に発生するチームの場合、スキルが定着しにくい。
と、このようなことが起きました。
中でも早急に解決したかったのが。。
・リリース後に想定外の不具合が発生した。
という点です。
ただし、積み上げてきた経験をもとにテストするということは一概には悪とは言えません。
その製品に対して精通していることで、製品の癖だったり不具合が起きそうな箇所を予測しやすいというメリットがあります。
そんな状況が続いていた当時に私が、システムを横断するような大きい対応のテストを担当するタイミングで「これまでのやり方じゃだめだよね。」と思い。
すこーし"エッセンス"を加えることにしました。
まず、エッセンスってなんなんですかね。
ウィキペディアさんに聞いてみましょう。
essenceは
・物事の本質、真髄、実在、霊的実在のこと。
・植物や動物などから抽出したエキス、精、精油などのこと。
・さらに狭義にはエキス、精、精油や香料を水に溶けやすい形態にしたもののこと。
だそうです。
バニラエッセンスとか、お菓子作るときに加えるといい香りが立ちますよね。
今回の用法は最後のものに近いでしょうか。
本質を変えているわけではないのですが「技術的なエッセンス」を加えることによってテストを良い方向に持っていくことが出来た経験、です。
そのプロジェクトの時に取り入れたことがこちらです。
・テストマップの作成
・パターン網羅性を高めるためにFL表を使う
※FL表についてはこちらを参照
「こんなこと…?」
って思われるかもしれませんが…
先述の通り「勘と経験のテスト」がなされていたところだったので、テストの粒度もなにもかもが個人によりまちまちだったのです。
ということで、テスト設計を行う段階で
テストマップを作成してテスト観点、範囲などを明確にする。
FL表を用いて組み合わせの網羅性を高める。
という作業を行いました。
それにプラスして…
「勘と経験」からこれまでの不具合の傾向を見て当たりをつけることによってさらに、「このテストも追加しようかなあ」「これも必要だよね」など、テストケースに具体性を持たせました。
結果どうなったか。ですが。
なんと。
リリース後に報告された不具合がゼロだったのです!
これには驚きました。
「あなただからここまで任せることができた」というありがたいお言葉も頂戴できたのが嬉しい限りです。
ということで。
何が言いたかったかというと。。。
「勘と経験」に少しだけ「エッセンス」を加えると改善したり、いいことあるかも。
というお話でした。
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