鑑賞の視座が上がる『星を見る人』
カミングアウトしよう。
俳句の鑑賞文を読むのが苦手である。
鑑賞文を読むと眠くなる。
僕にとって、鑑賞の本や、俳誌の鑑賞コーナーを読むのは苦行だ。
どうしてか。
紋切り型のテクニカルな話になりやすいからだ。鑑賞は基本的に、「どう読んだか」と「なぜ素晴らしいか」を述べる必要がある。そして俳句が一定のルールに則る文芸である以上、どうしてもお決まりの説明が多くなる。
その結果、俳句の鑑賞文というのは、ペーパーテストの解説や、ニュース記事のように、ある種のフォーマットに沿った