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俳書メモ

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俳句関連本の読書メモ
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2024年5月の記事一覧

たくさんの俳人に会いたくなる『およばずながら』

最近、同僚がポケモンカードを始めた。 大会に出てみたら、「みんないい人だった!」と言っていた。 その話を聞いて、「わかる気がする。俳句もそうでさ……」と話が弾んだ。 そう、人が交流する嗜みは、和を尊ぶことが求められる。 いわんや結社の主宰ともなれば。 僕は、結社の主宰の先生と話したことは数回しかないが、どの先生も魅力的だった。結社の先生方は、自身の句業のみならず、「育成」的な側面も結構な割合担っているからだろうか。声のかけ方が上手な気がする。 そんな先生方と、「俳句総合

鑑賞の視座が上がる『星を見る人』

カミングアウトしよう。 俳句の鑑賞文を読むのが苦手である。 鑑賞文を読むと眠くなる。 僕にとって、鑑賞の本や、俳誌の鑑賞コーナーを読むのは苦行だ。 どうしてか。 紋切り型のテクニカルな話になりやすいからだ。鑑賞は基本的に、「どう読んだか」と「なぜ素晴らしいか」を述べる必要がある。そして俳句が一定のルールに則る文芸である以上、どうしてもお決まりの説明が多くなる。 その結果、俳句の鑑賞文というのは、ペーパーテストの解説や、ニュース記事のように、ある種のフォーマットに沿った

一緒に俳句を苦しみたくなる『俳句脳』

あさって長野の諏訪に行く。 そのためのガイドブックを地元の図書室に借りに行った。 うちの市は人口8万で、図書室が6つある。 その中で一番小さい図書室に初めて行った。 目的のガイドブックを見つけて、 全く期待せずに俳句関連のコーナーも見てみた。 古い歳時記と、芭蕉関連のエッセイと、夏井先生の入門本があり、 「まあ、こんなもんかな」と思っていたら、一緒にこの本があったのだ。 黛さんと茂木さんで対談本を出していたとは…! あと黛さんの句集『B面の夏』もあって、近隣住民にファン