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俳書メモ

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俳句関連本の読書メモ
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2023年7月の記事一覧

見慣れたものを見知らぬものに置き換える俳句を詠みたくなる『おいしそうな草』

詩人の蜂飼耳のエッセイ『おいしそうな草』を読んだ。俳句とは関係ない文脈でオススメされたのだけど、句作に役立ちそうなポイントがあった。 それは「詩や芸術がどうやって生まれるのか」を論じている箇所だ。 僕は句作するとき、「感動」を思い出してとっかかりにすることが多い。が、どういう「感動」をベースにすると、詩になりそうかのヒントがここにある気がする。 4点抜粋します。黒太字は僕が勝手につけました。 3行でまとめると、 習慣に従って生活していると、眠らされてしまう感性がある

絵画的な俳句を詠みたくなる『百句燦燦』

アンソロジー句集『百句燦燦』を手に入れた。 先日読んだ『愉しきかな、俳句』で、装幀家の間村俊一さんが、衝撃を受けた句集として挙げていたからだ。曰く、 歌人の塚本邦雄さんの愛誦句集 塚本さんの完璧な美意識と価値観で、選句されている 独特な活版組の本文がイカれるくらいすごい 余白も美しい。造本のすごさを味わうために持っておくといい この原体験ゆえ、今でもコンピュータじゃなくて活版にこだわってしまう テキストだけなら今でも文庫版で手に入るよ である。ここまで言われて