白鯨感想その2

1月も早いものでもはや中旬である。20歳で会社に就職してから、異様に時の流れが早くなったと感じる。いつもいつも同じ反復作業を繰り返しているからであろうか?1日に新たに発見する出来事が少なくなってきたからであろうか?ベッドの上でスマホをいじっている怠惰な時間が増えたからであろうか?どんな原因にしろ、時間が経つのが短く感じるのは僕にとってあまりいい気分のするものではない。人によっては、仕事中暇だと早く時間が過ぎればいいなと思うらしいが。
ともかく時間が早くすぎないように感じるにはどうしたら良いのか?僕なりに考えたのだが、やっぱり1日の生活密度を上げるしか方法はないのだと思う。ゲームは楽しいが、何も残らない。あっという間に時間が過ぎたと思えば、残っているのはセーブデータくらいである。何かもっと自分が生きたという証を残したい。そうすれば少しなりとも生活密度が濃くなり、時が早く感じる焦りから解放されるのではなかろうか?そう思ったので、ブログを始めてみたという背景もある。
前置きが長くなってしまったが、そろそろ感想に移ろう。今回は白鯨 上 中 下巻のうち、中巻を読んだ。話の大まかな内容は時代は1800年代前半、アメリカの西海岸から出港した捕鯨船がさまざまなアクシデントに見舞われながら鯨を捕獲してひたすら東へ東へと航路を開いていく物語である。中巻ではいよいよ鯨とりが本格的になってくる。最初に釣果をあげたのは我らピークドオット号の2等航海士スタッグである。釣果をあげた晩は当たり前の権利と言わんばかりに、当直の仕事をさぼって鯨からヒレ肉を失敬してコックにステーキを焼かせる有様である。ここで注意して頂きたいのだが、ステーキにありついているのはスタッグだけではない。サメも船横に中つりになっている鯨にありついているのだ。その騒々しさと言ったらない。しまいにはスタッグに命令された哀れなコックが鯨の上に乗り静かにしてくれと懇願する始末である。と言いつつ、僕は鯨に関する肉はうまれて一度も食べたことはない。何しろ現代は、鯨に対する擁護の視線が注がれているために大っぴらに鯨漁をすることはできないのだ。かつてあれほど私利私欲のために鯨を捕獲してきたアメリカ、ヨーロッパの国々が今では率先して反捕鯨活動を展開し日本に圧力をかけてきているとは何という手のひら返しだ。それにしても一度は鯨のステーキを食してみたいものだ。

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